ヘッジファンド模倣ファンドの人気高まる-本家のリターンは低下気味

ヘッジファンドを模倣したファンドの人気 が投資信託を買い求める個人投資家の間で高まりつつある一方で、本家のヘッ ジファンドのリターンは低下しつつある。

ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、2000年以来のヘッジファ ンドのリターンは年平均8.4%と、1990年代の半分未満となっている。S&P 500種株価指数に連動したバンガード・グループの旗艦ファンドは2006年に

15.6%上昇。一方、米ゴールドマン・サックス・グループ最大のヘッジファン ドは6%下落だった。運用手数料はゴールドマンのファンドが約10倍だ。

成績不振にもかかわらず、スイスのUBSや米JPモルガン・チェースな ど金融機関は高めの手数料に魅せられ、資産1000ドル(約12万円)の小口投 資家にまでヘッジファンド類似商品を販売している。調査会社ファイナンシャ ル・リサーチ(ボストン)によると、株価上昇と下落の両局面で利益の出せる ロングショート・ファンドの残高は過去2年でほぼ倍増し、165億ドル(約2兆 円)に達した。

投資顧問会社アクレディティッド・インベスターズのロス・レビン社長は 「これらのファンドを買っている人の多くは、何に手を出しているのか分かっ ていない」と話す。

ロングショート・ファンドは空売りを併用することで株価下落時にも利益 を上げることができる。投信の多くはこのような戦略の投資を許されていない。 調査会社モーニングスターによると、ロングショート・ファンドの06年の運用 成績は平均でプラス7.2%と、S&P500種の配当再投資を含むリターン15.8% を下回った。一方、ロングショート・ファンドへの06年の資金流入は49億ド ルと、05年のほぼ3倍だった。

ロングショート・ファンド

ロングショート・ファンドの運用手数料は平均で2.2%と、通常の株式ファ ンドの約1.5倍。バンガードの指数連動ファンドの手数料はさらに低く、0.2% だ。モーニングスターのアナリスト、トッド・トルービー氏はロングショート・ ファンドについて、「手数料は大半の投信よりも高い」として、「徐々に下がる ことが望ましいが、ヘッジファンドの代わりと考えられている現状では手数料 が下がるかどうかは疑わしい」と話した。

資産運用で最大手のUBSと米メロン・ファイナンシャルは06年に、両社 にとって初のロングショート・ファンドを個人向けに販売した。JPモルガン は1ファンドを加え同社の品ぞろえを5ファンドとした。各社はこれらのファ ンドからの手数料収入は明らかにしていない。

空売りを行うかどうかが、ロングショート・ファンドと通常の株式投信と の違いだ。ジェロニモ・ファインナンシャルで4億5000万ドル相当の運用に携 わるデービッド・プロクペック氏は、ロングショート・ファンドの目的は「必 ずしもS&P500種やダウ工業株30種平均の成績を上回ることではなく、相場 の上昇下落にかかわらず利益を上げることだ」と話す。

エディンバラ郊外に住むグレーム・カリー氏は、相場下落に備えるために ファンド・オブ・ヘッジファンドを購入。2006年のリターンは7.6%だった。 同氏が購入したファンドの手数料は、バンガード500指数ファンドの8倍だが、 運用成績はバンガードのファンドの方が8ポイント高かった。カリー氏は、こ れらのファンドの大半は「全く意味がない」と話している。

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