石油掘削装置不足で関連株に熱い視線-地下に眠る3兆バレルに期待

石油不足について熟知している業界のプロで も地下や海面下に推計3兆バレルの原油が埋蔵されていることは知っている。だ からこそ、明らかに不足している石油掘削装置(リグ)の関連事業の将来性を見 込み、これらの企業に最も多額の投資をしている。

11億ドル(約1330億円)相当を運用する米ホッジス・キャピタル・マネジメ ントのドン・ホッジス氏は、石油掘削業界を「最も魅力的な投資先」と指摘する。 「掘削装置は不足しており、1基を建設するのに多くの時間と資金が必要だ。近 い将来、掘削業者の収益は毎年増加するだろう」との見方を示す。同氏は米国の 掘削会社であるトランスオーシャン株を約16万株、グローバルサンタフェ株を約 12万株保有している。

原油相場が3倍に上昇し、石油業界の利益が急増したことを受け、沖合掘削 装置の受注件数は過去5年間で6倍に伸び、リース料金も過去最高水準となって いる。海面下1マイル以上掘削できる最新式掘削装置の利用待機期間は過去最高 の3年となっており、1基当たりのリース料金も2004年以降、4倍に上昇し、1 日当たり50万ドルを超えている。

スウェーデンの石油会社ルンディン・ペトロリウムのアシュリー・ヘッペン スタール最高経営責任者(CEO)はインタビューで「これは大問題だ。石油業 界では過去数年間にわたって全体の投資額が少なかったため、昨年はその影響で 一部の掘削事業に遅れが出た」と語った。同社は今年、ノルウェー、ロシア、ス ーダンで油井の掘削を計画しているほか、ベトナム、エチオピア、コンゴでも探 査許可を得ている。

「最も魅力的な投資先」

掘削コストの上昇は原油生産コストを押し上げ、原油相場の5年間にわたる 高騰につながった。また、新規の油田発見や既存の油田開発のペースも鈍化した。 欧州2位の石油会社、英BPの統計によると、米国の原油埋蔵量は、向こう20年 間のイランの産油量に匹敵する。

原油相場の高騰は世界の経済成長を抑制している。国際通貨基金(IMF) の広報担当者、ウィリアム・マレイ氏によると、原油相場が年間1バレル当たり 10ドル上昇すれば経済成長率は0.4-0.6ポイント低下する。

これまでにない世界のエネルギー需要の拡大に対応するため、エクソンモー ビルやBPなど大手石油会社は、掘削装置を確保するため、より高いコストを支 払うことを余儀なくされている。過去2年間の大半の期間、原油相場は50ドルを 超えており、ブーン・ピケンズ氏などの投資家や、世界最大の原油タンカー会社、 フラントラインを運営する資産家のジョン・フレドリクセン氏は、石油掘削会社 の株価上昇率が石油会社を上回るとの見方を示している。

ホッジス・キャピタルのホッジス氏は、石油業界では、掘削関連株が石油・ ガス生産関連株に代わって主要銘柄になるとみている。トランスオーシャンやノ ーブル、エンスコ・インターナショナルなどの銘柄を含むS&P500種石油・ガス 掘削株価指数は過去1年間、ほぼ変わらずの水準で推移しているが、エクソンや シェブロンなどの銘柄を含むS&P500種石油・ガス総合株価指数は22%上昇し ている。

ピケンズ氏が運用するヘッジファンド、米BPキャピタルの米証券取引委員 会(SEC)への届け出によると、同社は06年第4四半期(10-12月)にトラン スオーシャンやグローバルサンタフェなど油田サービス関連株の保有率を引き上 げた。

また、ジュリアン・ロバートソン氏が運営するタイガー・マネジメントの元 商品トレーダー、ポール・トーラジ氏が設立したヘッジファンド運営会社、トー ラジ・キャピタル・マネジメントの06年10-12月の保有株式数上位5社のうち 2社が、ともにヒューストンに本拠を置く石油掘削会社、ダイヤモンド・オフシ ョア・ドリリングとヘラクレス・オフショアだった。

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