「宅急便一本足打法」を脱却、企業や海外も-ヤマトHD瀬戸社長

宅配便最大手のヤマトホールディングス (ヤマトHD)の瀬戸薫社長は、売上高の80%を占める宅配便など国内小口配 送(デリバリー)事業中心のビジネスモデルから脱却し、他社との連携で大口の 企業間物流や海外物流を強化してもう一本の収益の柱として育てていきたいとの 考えを明らかにした。21日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで明ら かにした。

ヤマトHDの売上に対して「宅急便」などのデリバリー事業が占める割合は 80%と突出。2番目に売上比率が高い企業間物流事業はわずかに10%弱で、良 くも悪くもデリバリー事業に依存した収益構造となっている。瀬戸社長はこうし た現状を「宅急便一本足打法」と自嘲気味に話す。

一方で昨年5月に発表した日本郵船グループとの資本業務提携は「陸のヤマ ト、海・空(日本貨物航空)の日本郵船という相乗効果を最大限に発揮できる組 み合わせだ」と期待感を示すとともに、今後の取り組みとして企業間物流や国内 外一貫輸送を強化していく方針を示した。

特に中国国内での企業間物流や宅配便ビジネスは「これまで出遅れていたが、 今後まだ大きく伸びる余地がある」とした上で、具体的には「中国国内に充実し た拠点網を持つ日本郵船の力を借りて、まずヤマトHDが実績を持つ自動車部品 メーカーなどを相手とした企業間物流から取り組む」と話した。

売上面での目標数値として、瀬戸社長は来年度にもデリバリー事業とそれ以 外の事業との売上比率現在の8対2から7対3にしたいと述べた。また利益面で は現在の3対1から数年以内には五分五分を目指すとした。

メール便で郵政公社に攻勢

この他、今年10月に完全民営化される日本郵政公社に対する武器としては メール便を挙げる。ヤマトHDは昨年「海外物流ビッグ4」の一角、ドイツポス トとの提携を発表。狙いはドイツポストが持つ個人情報保護と効率良いダイレク トメール事業の両立というノウハウ。ヤマトHDではメール便事業は1兆円市場 に成長すると見積もっており、その収益の柱としてダイレクトメール事業を育て る意向だ。

日本郵政公社には既にデリバリー事業分野で「大口顧客を持っていかれてい る」と話す瀬戸社長は、メール便によって郵政公社に攻勢をかけてシェアを奪う ことで、郵便の利益を元手に伸張を目指す「ゆうパック」へのけん制効果も期待 している。

ヤマトホールディングスの株価午前終値は前週末比16円(0.8%)安の 1955円。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE