クレディSのドゥーガン氏:日本女性と結婚歴、日本語話す知日派

クレディ・スイス・グループの最高経営責 任者(CEO)になるブレイディ・ドゥーガン氏は、あまり米国人らしくない 米国人だ。そんな点が幸いして、他の米国人幹部が逃したスイスの銀行のトッ プの座を射止めることになった。

クレディ・スイスは先週、米国人である同氏をグループ全体の単独CEOに 指名した。米国人の単独トップは同社で初めて。クレディ・スイスに移籍して 17年の同氏の昇進は、151年の歴史を持つスイスの銀行では、金融市場での成 果や経営手腕に加え、文化的な多様性が物を言うことを示した。

ニューヨーク大学の金融学教授で元ゴールドマン・サックス・グループの 元パートナー、ロイ・スミス氏は「スイス人が攻撃的で押しの強い米国人に我 慢できるのには限界がある」として、ドゥーガン氏は自分が「そういうタイプ の米国人ではないことを、スイス人幹部らに納得させたのだろう」と述べた。

他のウォール街のスターたちは、ドゥーガン氏ほどの信頼を勝ち得られな かった。投資銀行部門の責任者を務めたデリバティブ(金融派生商品)の先駆 者アレン・ホイート氏は高報酬のバンカーを集めてコストを膨らませた末、規 制当局の調査のなかで更迭された。モルガン・スタンレー出身のジョン・マッ ク氏は共同CEOにまで上り詰めたものの、同業他社との合併を主張し、契約 終了とともに同社を去った。

クレディ・スイスのウォルター・キーホルツ会長はドゥーガン氏抜擢(ば ってき)の理由は「銀行家としての経験」、「指導力」、「合意を形成する力」、「チ ームプレーヤーであること」の4つだと述べた。

インディアナ州生まれのドゥーガン氏はシカゴ大学を卒業後、米バンカー ズ・トラストに入社した。投資銀行部門からデリバティブ部門に移り、誕生し たばかりだったデリバティブに携わった。その後、ロンドンを経て東京に移り、 債券引き受け部門をゼロから立ち上げた。

同氏は東京でも、新しい文化に適応する高い能力を発揮し、1年足らずで 日本語をマスターした上に、日本人女性と結婚した。現在は離婚しているが、 15年間の結婚生活で2児をもうけた。クレディ・スイスの日本の投資銀行部門 責任者だった房広治氏は、ドゥーガン氏にとって日本は第2の故郷のようなも のだと話している。

ドゥーガン氏は日本でホイート氏と出会う。両氏は時々、一緒に皇居の周 りをジョギングしたという。この出会いの結果、ドゥーガン氏はクレディ・ス イスの投資銀行部門クレディ・スイス・ファースト・ボストン(CSFB、当 時)に移籍したホイート氏とともに、そのチームの一員として同社に加わった。

クレディ・スイスでさまざまなポストを経て順調に出世を重ねるなかでも、 同氏は堅実さを失わなかった。28歳のトレーダーがフェラーリを買う業界で、 同氏は1994年型のBMWに乗っている。クレディ・スイスに在籍22年でイン ディアナ州出身のフィリップ・ライアン氏は「中西部生まれの人間は現実主義 で堅実で、あまり自己顕示欲のない人が多い。これがスイス人には受けがいい」 と語った。

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