エルピーダ:200ミリラインを中国企業に売却-業績への影響未定(2)

DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込 み読み出しメモリー)専業メーカーのエルピーダメモリは19日、広島工場が保有 する直径200ミリメートルウエハーラインの生産設備を、中国の半導体メーカーへ 売却することで基本合意したと発表した。譲渡の期日や売却額など詳細を詰めたう えで、業績に与える影響を公表する。

200ミリラインは300ミリラインより世代が1つ古く、相対的に生産性が低 い。1枚当たりの300ミリウエハーから取れるチップの数は、200ミリウエハー の約2.2倍と生産性が飛躍的に向上するため、エルピーダは広島工場で300ミ リウエハー対応のラインを増強中だ。300ミリの増産投資に注力する同社にとっ て、200ミリラインの扱いは1つの経営課題となっていた。

昨年末の300ミリラインの生産能力は月7.2万枚で、同10万枚超まで拡張 する計画。他方、200ミリラインは月5万枚で最大能力に達している。同社によ ると、足元の300ミリラインの生産能力は200ミリライン換算で月18万枚程度。 月5万枚の200ミリラインを売却すれば、単純計算で全体の2割程度の生産能 力が減ることになる。

しかし、300ミリラインは、ウエハー当たりの取れ高とは別の意味で生産性 に寄与する微細加工技術において200ミリラインよりも優れている。技術的に は、200ミリラインは回路線幅が110ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製 造プロセスまでしか対応できないが、同社の300ミリラインの最先端プロセス は70ナノまで微細化が進んでいる。このため、200ミリラインを操業し続ける メリットは次第に小さくなっていた。

エルピーダはまず、200ミリラインのウエハー処理用装置群を中国の半導体メ ーカーで公営企業のセンション・セミコンダクター社(本社・四川省成都市)に売 却する予定。これを、エルピーダの提携先で中国のファウンドリー(半導体の受託 生産専門企業)大手、SMIC(本社・上海市)が借り受けるかたちで運営する仕 組み。装置はSMICの工場内に搬入される。

装置の搬出後、200ミリラインの建屋を取り壊すかどうかは未定。研究開発用 の試作ラインに置き換えるか、後工程のラインとするかなど複数の案を検討する。

エルピーダは昨年末、別の提携先で台湾の半導体メーカー、力晶半導体(パワ ーチップ、PSC)と合弁で台湾に300ミリラインの新工場を建設する計画を発表。 両社で8000億円ずつ、計1兆6000億円を投じて月産6万枚のウエハー処理能力を 持つ工場を4棟建設し、向こう5年以内に両社で月産24万枚体制を構築する。

エルピーダメモリの19日終値は、前日比70円(1.3%)高の5310円。

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