ベトナムなど「フロンティア」市場株、リターンでBRICs上回る

最も規模の小さい新興国株式市場が、ブ ラジルとロシア、インド、中国で構成されるBRICsを押しのけて世界最高 のリターンを上げている。

フロンティア市場と呼ばれる22カ国の指数は1月に12%上昇し、1月の 上昇率としては過去最高を記録した。22カ国のうちベトナムとウクライナ、 クロアチアなど5カ国は、今年のリターン上位10市場に入っている。BRI Csの指標は昨年53%上昇し、インド株と中国株は規模の大きな新興市場で 最も割高となったことから、1月は下落に転じた。

JPモルガン・チェースやテンプルトン・アセット・マネジメント、ジ ュリアス・ベア・ホールディングスは、4年連続で上昇した規模の大きな途上 国市場の株式よりも値動きが良くなるとみられる規模の小さい新興国の株式 に半年前から投資し始めている。

DWSスカダーの新興市場担当マネジングディレクター、テレンス・グレ イ氏は、「当社はフロンティア市場の一部に参入し始めている」と述べ、「よ り良い価値を探そうとしている」ことを明らかにした。同氏は、カザフスタン の国営石油・天然ガス会社が新規株式公開(IPO)で売却した会社の株式を 9月に購入。昨年は中国とインドの株式保有を減らしており、今後はモーリシ ャスやナイジェリア、ザンビアの銀行や農産物会社に投資する可能性がある。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が定義したフロ ンティア市場は、規模が小さく取引も薄過ぎて大方のファンドマネジャーは投 資不可能な企業が圧倒的だ。一方、BRICsはゴールドマン・サックス・グ ループのチーフエコノミスト、ジム・オニール氏が2001年11月にブラジル(B razil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(Ch ina)の4カ国の頭文字を使って命名したもので、これらの国は2050年ま でに日米と並ぶ世界の経済大国に台頭するという。

S&P/IFCGフロンティア市場総合指数は過去1年間に35%上昇し、 モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)BRI C指数の28%上昇やS&P500種株価指数の12%上昇を上回っている。1月 のS&P/IFCGフロンティア市場総合指数の上昇率はS&Pが1996年に 算出を開始して以来で最高だった。

フロンティア指数構成銘柄272銘柄の時価総額の中央値は2億4100万ド ル(約288億ドル)。株価収益率(PER)はインド株の平均26倍や中国株の 同40倍を下回るものの、徐々に上昇しつつある。S&P/IFCGフロンティ ア市場総合指数構成銘柄のPERは先月、平均で17倍と、過去最高に近づくと ともに、過去11年の平均を40%上回った。これは、MSCI新興市場指数の PERを約10%上回る水準。

スイスカントの株式責任者、パトリック・ショイバー氏は、「誰もが積極 的かつ強気になったため、バリュエーション(株価評価)は極めて高くなった」 と述べ、「相場はサイクルの初めではなく、むしろ終わりに近い」と語った。 スイスカントは最近、ベトナム株を売却したという。

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