NY外為:円は対ユーロで1カ月ぶりの大幅高-G7控え買い戻し(2)

ニューヨーク外国為替市場では円相 場が対主要通貨で上昇。特に対ユーロでの上げが最もきつく、過去1カ月 で最大の上昇率となった。欧州当局が9日からの7カ国財務相・中央銀行 総裁会議(G7)で日本に対し、円が安過ぎるとの認識を示すとの観測が くすぶっており、円の買い戻しが優勢になった。

藤井秀人財務事務次官は5日夕、G7で「為替市場などについて、い つも通り議論が行われていく」と述べた。2日に発表されたシカゴマーカ ンタイル取引所(CME)通貨先物の建て玉に関する統計では、1月30 日時点で対ドルでの円の機関投資家の持ち高は過去最高の売越幅となって いた。

英銀大手スタンダード・チャータード銀行のニューヨーク在勤為替ス トラテジスト、マイク・モラン氏は「円に関する発言がすべてあまり円買 いを誘わなかったが、現在はG7を控えて円高に勢いがみられる」と指摘。 「円の持ち高が売り越しになっていることを考えると、円の上昇は調整な しにどのぐらい長く続くか分からない」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時41分現在、円は対ドルで1ドル=120 円38銭と前週末遅くの121円13銭から上昇している。対ユーロでも前 週末の157円1銭から155円61銭に上昇している。ドルはユーロに対 し、1ユーロ=1.2927ドルとなっている。前週末は1.2961ドルだっ た。

円は対ユーロで0.9%高と、1月5日以来の大幅な上昇率となった。 一時は155円48銭と1月15日以来の円高・ユーロ安水準となった。1 月24日には158円62銭と過去最安値を更新していた。

ボラティリテイ

円オプション1週間物のボラティリティ(予想変動率)が一時

8.925%と1週間超ぶりの高水準となった。その後は8.5%まで低下し た。

CMEの発表によると、機関投資家による円の売越幅は1月30日現 在、17万3005枚と過去最大となっていた。

円オプション1カ月物のボラティリティは前週、8.275%と4カ月 ぶりの高水準となり、円が下落するリスクが高まったことを示していた。

モラン氏は1-3月期の終わりまでに124円まで円安・ドル高が進 むとの見通しを示している。

ドイツのシュタインブリュック財務相やフランスのブルトン財務相、 イタリアのダレマ外相は前週、G7で円についての討議があるとの見解を 示した。シュタインブリュック財務相は7日に講演する。

米下院エネルギー・商業委員会のジョン・ディンゲル委員長(民 主党、ミシガン州)は1月31日付のポールソン財務長官に宛てた書簡で、 日本は円相場を不当に操作しており、米国はこれに対処するために一段の 対策を講じる必要があるとの見解を示した。

ポールソン長官は懸念せず

ポールソン米財務長官は前週、ブルームバーグとのインタビューで 「円はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を基に競争原理のある 市場で取引されている」と指摘し、円相場を懸念していないとの見解を示 している。

円は今年に入り、対ドルで1.1%下落している。

メロン・ファイナンシャルの通貨トレーダー、グラント・ウィルソン 氏は「円の持ち高は売り越しに大きく傾いており、持ち高を手じまう動き が一部で出るかもしれない。G7を前に円が一段と上げる可能性は十分に ある」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)定例政策委員会を8日に控えていることもユ ーロ売りを誘った。ブルームバーグが25人のエコノミストを対象に実施 した調査では1人を除いて全員がECBは3月8日の政策委員会まで

3.75%への利上げは控えるとの見通しを示している。

米国の政策金利は5.25%、日銀の金融政策決定会合を20日に控え る日本は0.25%と先進国中で最低となっている。

ポンド安

ポンドはドルに対し、1ポンド=1.9599ドルと前週末の1.9660 ドルから下落。2週間ぶりの大幅な下げとなった。1月に英サービス業の 成長が鈍化したことを示す経済指標がきっかけ。

米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業景況指数は

59.0と、前月の56.7(速報値は57.1)を上回った。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(57.0)も上回った が、対円でのドルは軟調なままとなった。

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