米スティール:サッポロに株主提案、「買収防衛策」の総会決議要請(2)

米投資会社スティール・パートナーズは、投資 先のサッポロホールディングスに買収防衛策をめぐる株主提案を行った。サッポロ が取締役会決議のみで導入した防衛策をいったん取り下げて株主総会で導入を決議 するよう要請した。コーポレートガバナンス(企業統治)の点から、防衛策は株主 大勢の承認を得るべきだとしている。ファンドの活動が株主提案まで広がってきた。

サッポロが1日に発表したところによると、スティールから1月30日に株主提 案権行使書を受け取った。06年2月17日の取締役会で承認、同4月28日の取締役 会で継続を決定した防衛策を廃止、そのうえで防衛策は株主総会の決議により決定 するという項目を定款に盛り込むようスティールはサッポロに要請した。

スティール広報代理人プラップジャパンの松岡雅子氏は「そうした株主提案を 出したのは事実」とコメントしたが、背景などの詳細は現時点での言及を控えた。

サッポロの防衛策は、議決権で20%以上を目指す投資家に事前の情報提供を求 める。取締役会の評価期間が経過した後に買い取りを開始することを要求、取締役 会の示した規定に従わない場合は新株予約権を発行するいわゆる「事前警告型」。

M&A(合併・買収)に詳しい一橋大学大学院の服部暢達・客員教授は「買収 防衛策については、総会決議が望ましいと経済産業省が提言しており、これを求め る提案は頷ける」と評価した。同時に「スティールは値上がり益が狙いのヘッジフ ァンドで、実質的で最終的な狙いはサッポロ株の上昇ではないか」と指摘した。

服部氏によると、総会への株主提案は日米欧でもそれほど多くない。日本では ソニー株主が会社側に役員報酬個別開示を求めたり、村上ファンドが阪神電気鉄道 に役員選任を求めた例はある。投資ファンドはカネ余りもあって日本での活動を活 発に繰り広げており、株主提案をしたスティールはこうした動きを象徴している。

スティールは現在、サッポロ株の約19%を保有している。総会議案提出権は、 株式1%(または議決権300個)以上を6カ月以上継続保有している株主が持つ。 スティールの提案を含めてサッポロは、2月16日の取締役会で総会に諮る議案を決 定する。スティールの提案も総会議案に含まれる公算が大きい。

スティールはほかにアデランス、ノーリツや江崎グリコなどの株式を大量に保 有している。明星食品株については、日清食品による明星食株へのTOB(株式公 開買い付け)に応じて売却した。代わりに日清食株を買い増している。

サッポロの株価終値は、前日比18円(2.6%)高の723円。

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