日本株は反発、ガイシなど好決算銘柄が上昇けん引-決算ピーク(2)

名実ともに2月相場入りした東京株式相場は 反発。第3四半期決算の発表がピークを迎え、投資家の関心が企業業績に集ま るなか、市場予想を上回る業績を発表した銘柄に買いが集まった。日経平均寄 与度上位には、日本ガイシや第一三共など通期業績予想を上方修正した銘柄が 並んだ。

午後から好決算を発表した銘柄の上げも目立った。自動車部品需要の高ま りで通期予想を一転増益に変更したアイシン精機が上げ幅を拡大しやほか、受 講生数の好調などで通期業績予想を上方修正したTACも急騰した。

大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の高橋和宏部長は、「好決 算を織り込んできた銘柄は決算発表と同時に材料出尽くしとなりやすい。ただ、 この日の日本ガイシのように織り込まれなかった銘柄はサプライズとなる。相 場は個別評価の動きになっており、選別物色が強まっている」と話していた。

また安田投信投資顧問の礒正樹株式運用部長は、「直近の米経済指標では底 堅い景気の状態が示されていたが、前日のGDPもそれ以上に好調だった」こ とから、企業業績の好調に加えて米景気の底堅さも株価を押し上げたとみてい た。

日経平均株価は前日比136円8銭(0.8%)高の1万7519円50銭。TO PIXは同16.62ポイント(1%)高の1738.58。東証1部の売買高は概算 で23億7662万株。東証業種別33指数は28業種が高い。

この日の日経平均は小幅安で始まったが、直後にプラス圏に浮上し、上げ 幅を拡大した。取引終了間際に先物に大口の買いが入りさらに上げを広げ、こ の日の高値圏で取引を終了した。東証1部の騰落状況をみると、値上がり銘柄 数1315、値下がり銘柄数は323。市場では、「前日に売り越した先物業者が買 い戻している」(豊証券の菊地由文取締役)と指摘が聞かれた。

日経平均の上昇をけん引したのが好業績銘柄だ。上昇寄与度3位の日本ガ イシは上場来高値を更新した。同社は、DPF(ディーゼル車用排ガス浄化装 置)などの需要が増加していることから、通期経常利益予想を25%上方修正し た。ゴールドマン・サックス証券では、「当社予想とコンセンサスを大幅に上回 るサプライズ」(1日付ジャパンモーニングサマリー)との見方をしていた。

このほか、高血圧症治療薬「オルメサルタン(一般名)」の海外販売などが 好調で通期業績予想を上方修正した第一三共も大幅高となった。

東洋証券情報部の大塚竜太ストラテジストは、「投資家は決算のポジティブ サプライズに飢えている。今後も個別決算を見極めながら、相場は高値圏での もみ合いが続くだろう」と話していた。

電機や電気・ガスなども高い

業種別では、日興シティグループ証券が強気の投資判断を示したソニーを 中心に電機株が上昇。関連会社のトーエネックを株式公開買い付け(TOB) で連結子会社にすると発表した中部電力を中心に電気・ガス株も買われた。前 日に決算を発表して通期予想を据え置いたNTTドコモやKDDIなどの情報 通信株、花王などの化学株も高い。

米景気の先行きに安心感

この日は、前日の米国で発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の 声明文でインフレなき経済成長が示唆されたことを受け、米インフレ懸念がや や後退したことも、買い安心感につながった。高止まりを続けてきた米国長期 金利が低下したため、米景気の先行きにひとまず安心感が広がり、トヨタ自動 車などの自動車株は終日堅調な動きをみせた。

ただ、市場では、「景気の強さが続けば、インフレリスクが再浮上する可能 性がある。マーケットが利上げ再開を懸念すれば、株式市場は世界的に荒い展 開になる」(大和投資信託の長野吉納シニアストラテジスト)との見方も残って いる。

デンソーが午後急落、日本事業の利益率低下を懸念

半面、業績面で悪材料を出した銘柄には売りが集中した。昼休み時間中に 第3四半期決算を発表したデンソーが午後の取引から急落。原材料価格の高騰 を受けて日本事業の営業利益率が低下していることが不安視されたようだ。日 本の営業利益は0.4%減った。半導体事業の低迷で通期予想の下ぶれが警戒さ れる富士通も売られた。

値下がりが目立ったのがトプコン。米住宅市場の減速の影響を受け、主力 の測量機器部門の売上が鈍化していることから、通期業績予想を下方修正した。 貸倒引当金の積み増しなどで通期業績予想を下方修正したジャックスも大幅続 落。また、第3四半期決算を受け生産/在庫調整と収益悪化リスクの高まりから ドイツ証券が投資判断を引き下げた日本インターもストップ安(値幅制限いっ ぱいの下落)。

日興コーディアルが大幅続落

不正会計問題に揺れる日興コーディアルグループは、前日に続いてこの日 も一時ストップ安を付けた。終値は前日比16%安の1000円で、東証1部の下 落率1位。意図的で組織的な不正利益の計上が認められ、営業基盤への影響や 上場廃止懸念が強い。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービ スが1月31日、日興コーデの格付けを「Baa2」から「Baa3」に1段階 引き下げ、さらに格下げ方向での見直しを継続することも売りを誘ったようだ。

新興市場はそろって上昇

新興市場はそろって上昇した。ジャスダック指数は0.22ポイント(0.2%) 高の92.16と続伸。東証マザーズ指数は1.54ポイント(0.1%)高の1182.62、 大証ヘラクレス指数は0.59ポイント(0.03%)高の1920.55とそれぞれ3 日ぶり反発。

ジャスダック市場では、SBIイー・トレード証券、大崎エンジニアリン グ、サンフロンティア不動産などが上昇。通期業績を上方修正した八千代工業 も高く、クレディ・スイス証券が収益動向にポジティブな変化と指摘したワー クスアプリケーションズは急伸。半面、大和総研が今・来期とも赤字の可能性 が出てきたと指摘したカシオマイクロニクスは急落。プロパスト、オプトも安 い。

東証マザーズ市場では、日本M&Aセンターやイントランス、ゲームオン が高い。一休、日本レップは急伸した。半面、業績悪化のアーティストハウス は3営業日連続の急落。アドウェイズ、新華ファイナンス、赤字幅拡大見通し を発表したスカイマークも売られた。

大証ヘラクレス市場では、ダヴィンチ・アドバイザーズ、ラ・パルレ、エ ン・ジャパン、フォトニクスが上げた。ターボリナックス、フィスコは急騰。 一方、大阪証券取引所、デジタルアーツ、ハドソンが下げた。2007年3月期の 第3四半期業績が前年同期比で大幅減益となったゼンテック・テクノロジー・ ジャパンは大幅安。

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