フィデリティの英社債ファンド:ロシアやカザフ、トルコにも投資

英国の債券はリターン(投資収益)が不十 分だと言うフィデリティ・インターナショナルのイアン・スプレッドベリー氏 (52)は、それを補うため、同氏が運用するファンドが定めた上限いっぱいま でロシアとカザフスタンの銀行が発行する債券とトルコ国債に投資している。

ロンドンのオフィスで23日までにインタビューに応じた同氏は、「われわ れのような投資家は投資対象をさらに広げている。異なるタイプの投資によっ て、管理された方法で資産価値を高めている」と述べた。

英国の10年国債利回りは現在4.87%だが、10年前は7.39%だった。スプ レッドベリー氏は、顧客を自身のファンドにつなぎ留めるため、より高い利回 りを求めている。同氏の「マネービルダー・インカム・ファンド」は運用資産 12億7000万ポンド(約3100億円)を誇り、英国で社債ファンドの上位6つに 入る。同ファンドが保有する債券数は300と、ロシアやカザフスタンの銀行債、 トルコ国債などを買い入れたことで2004年から50%増えた。

米信用格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のまとめに よれば、スプレッドベリー氏のファンドは06年、同様のファンド全体の中では 上位3分の1に入る成績を上げた。02年初め以降のリターンはプラス35%と、 競合する63のファンドのリターン中心値(プラス30%)を上回った。

バミューダ諸島に法人登録しているフィデリティ・インターナショナルに よれば、同氏のファンドは、ベンチマークとしているメリルリンチのユーロ・ スターリング指数を暦年ベースでこの10年間のうち、昨年を含め9年間、上回 っている。

リスク管理

フィデリティはウェブサイトで、スプレッドベリー氏のファンドは英社債 を主要な投資対象としており、「リスクをしっかりと管理」することを望む投資 家向けのものだとしている。英国債への投資比率は約10%だという。スプレッ ドベリー氏は、同ファンドの資産全体を最大5%まで投資不適格級のジャンク 債に投資することでリターン向上を目指している。

スプレッドベリー氏は過去1年間にロシア最大の銀行スベルバンクと、貸 資産規模でカザフタン銀行最大手、カザフ商業銀行に投資してきた。10億ドル (約1200億円)のスベルバンク債(表面利率6.23%、2015年償還)の米国債 に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は196ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)と、1カ月前の208bpから低下した。05年のスプレッドは249 bpだった。

5億ドルのカザフ商銀債(表面利率7.5%、2016年償還)のスプレッドは 19日時点で293bpと、昨年11月の起債時点の315bpから低下。スプレッド ベリー氏のファンドはまた、トルコを含む低格付けの国債にも投資している。 トルコ国債の利回りは20%を超え、同国債のボラティリティ(変動性)を補う のに十分だとしている。同氏は、イラクやイランなどに隣接するトルコに投資 するのは、その投資比率を小さく抑えることでリスクが最小限になるとしてい る。