米S&P指数は2050へ、国際化の配当で金利安定-ホリコキャピタル

ホリコ キャピタル マネジメントの堀古英 司最高経営責任者(CEO)は22日に放映されたブルームバーグ・テレビとの インタビューで、米国株式相場の見通しについて「インフレをもたらす賃金上 昇が難しく、長期金利は低位で安定推移するだろう。企業利益と長期金利の関 係からみると、株価は非常に割安で、今後数年はこれを修正する形で上昇して いく」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は2004年6月から2年間に計17回利上 げを行い、政策金利は5.25%になった。このままインフレが抑制されれば利下 げに動き、企業業績の好調を背景とした株高が続く可能性があるという。米国 では過去、景気が好転すると賃金上昇圧力が高まり、インフレ、金利上昇、景 気が腰折れ――というパターンをたどってきた。今回も景気が良くなり、賃金 上昇が警戒されるものの、インドや中国など新興国の安価な労働力が世界経済 に活用されるようになり、米国の企業も「オフショアリング(海外へのアウト ソーシング)を進めてその恩恵を受けている」(堀古氏)。

堀古氏によると、米国の主要株価指数であるS&P500種指数の構成銘柄 で、海外アウトソーシングを活用している企業は3年前に280社程度だったが、 現在はほぼ100%になった。賃金上昇圧力が強まると、企業は仕事を国外にア ウトソーシングするため、米国内の雇用につながらない。「この『国際化の配 当』でインフレが抑制され、長期金利は低位安定が続く」(同氏)という。

堀古氏は、EPS(1株当たり当期純利益)を長期金利で除した値が株価 の適正水準との認識だ。これに基づくと、S&P500の適正水準は2050ポイン ト。同指数は19日時点で1430.50ポイントのため、43%の上昇余地があること になる。過去4年間、適正水準を大きく下回る状況が続いているが、「今後数 年のうちに割安度が修正されて適正水準まで戻るだろう」と、堀古氏は予想し ている。

「ビスタ」発売でハイテク株復活

ホリコキャピタルが運用する「ホリコ・フォーカス・ファンド(愛称:自由 の女神)」は、米国株を主要投資先として「良いビジネスを安く買う」を信条 に、15から30銘柄に集中投資している。成長率が非常に高くない場合でも、 高い競争力を背景に長期にわたって利益を伸ばす銘柄に関しては、株価が安く なった場面で買う姿勢だ。

07年の投資テーマとして堀古氏は、①米マイクロソフトの新OS(基本ソ フト)「ウィンドウズ・ビスタ」の発売でハイテク株が復活、②年後半にも予 想される金融緩和で金融株見直し、③長期金利の低位安定で住宅株――の3つ を挙げた。

マイクロソフトは新型OSをこれまで3年おきに投入していたが、今回は 前回の投入から6年近く経っている。「ビスタ」を起動させるには高性能のハ ードウェアが必要とされ、「パソコンやその周辺機器の買い替えを促す。ハイ テク産業への波及効果を甘くみてはいけない」(堀古氏)との見解だ。堀古氏 のファンドは、マイクロソフトを昨春にコールオプションの形で購入。同オプ ションの期限が前週末に到来し、当面は「ビスタ」発売を観点に周辺銘柄が有 望と見ている。

一方、金融株に関しては、バリュエーションが長らく低位にとどまってい る。大手金融株のPERは10倍と、市場平均の16-17倍を下回っており、平 均並みに評価されるだけで、6-7割の上昇余地がある計算だ。

また堀古氏は、住宅建設株の妥当株価を計るのにPBR(株価純資産倍 率)を用いる。過去、PBRが1倍を下回ると株価は底打ちする傾向がみられ、 昨年夏に1倍割れ銘柄が続出。ファンドはその場面で購入した。現在PBRは 1倍を超えてきたが、「2、3年後に1.7-2倍に上昇するだろう、その時が 利益を確定するタイミング」(堀古氏)とみて、保有を続けている。