八木東京地検特捜部長:「密かに悪いことする人が恐れる」組織に(2)

国内最強の捜査機関といわれる東京地検特捜部 の八木宏幸部長(50)は16日の就任記者会見で、「密かに悪いことをしている人に 恐れられる特捜部でありたい」との抱負を語った。今後の特捜部の指揮に当たって はチームワークを重視していく意向も示した。

都内の検察庁で会見した八木特捜部長は、国民から特捜部が期待されているこ とについて「政官財の不正をみつけて真相を解明することに尽きる」として、経済 事件ばかりでなく摘発すべき事件は摘発すると強調した。特捜部指揮については、 共同捜査が基本だとして「チームワークが大事であり、チームワークが良好に機能 するように舵を取る」と述べた。

就任に当たっては身が引き締まるが、肩に力が入るとフットワークが悪くなる として「平常心を心掛けたい」とも語った。これまで手掛けた事件で印象に残るも のとしては大阪地検特捜部時代のイトマン事件、東京地検特捜部時代の4大証券の 利益供与事件を挙げた。

八木部長は1981年任官、大阪、釧路、東京などの各地検検事や東京地検特捜部 副部長、総務部長を経て16日付で特捜部長に就いた。趣味は「ウォーキング」で、 一度歩き始めると3-4時間も歩き続けることもあるという。自身の性格について は「陽気、ネアカが当てはまると自分で思っている」と語った。

座右の銘は特にないとしたが、心に残る言葉として「物を動かすのにさえ手を 添えないといけず、まして人を動かすのには心を添えないといけない」と述べた。 これは人との付き合いや人間関係で必ず生じることだと語り、まして上司・部下で 特捜部という大きな船では心がバラバラだと何も動かないと強調した。

学生時代は検事になろうとは考えていなかったが、司法試験合格後の司法研修 時に豪放磊落(らいらく)な研修官である検事に出会ったことを契機に検事を目指 した。妻と大学生の2男がいる。

2005年4月に特捜部長に就いた大鶴基成氏(51)は、16日付で函館地検検事正 に就任した。ライブドア事件や村上ファンド事件を指揮した大鶴氏は「額に汗して 働いている人々などが出し抜かれ、不公正がまかり通る社会にしてはならない」な どと強調した。大鶴氏の特捜部長在任は1年9カ月と比較的長かった。