米市場に投資のヘッジファンド、07年は資金流出の公算-ドイツ銀

ドイツ銀行は11日に発表したリポートで、 ヘッジファンドが今年、米市場からアジアや欧州に資金が流出する公算が大き いとの見方を示した。

ドイツ銀行はリポートで、米国に投資するファンドから今年7%余りの資 金が流出するとの予想を示した。一方、中国に投資するファンドには現在の資 産の38%余りの資金流入が見込まれる。

ドイツ銀のヘッジファンド・キャピタル・グループのグローバル責任者、 ジョン・ダイメント氏によると、米国に投資するヘッジファンドから通年で資 金が流出すれば、初めてのこととなる。同氏は記者団に「世界最大の市場への 関心は薄れ、他の地域への関心が高まっているようだ」と語った。ただ投資家 はアジアに投資するヘッジファンドのなかで、運用成績や規模の点で投資先と しての条件を満たすものを見つけるのは依然として「非常に難しい」と感じて いるという。

また、2006年のアマランス・アドバイザーズの破たん後、複数の戦略を組 み合わせるマルチストラテジーファンドの人気も後退した。ダイメント氏は、 「マルチストラテジーファンドへの集中を減らし、M&A(企業の合併・買収) 裁定など特定の戦略を取るファンドに注目する傾向が顕著だ」と述べた。マル チストラテジーファンドに集中している投資家が多いため、同種のファンドで は償還の動きが出る可能性があると同氏は分析している。

また同氏によると、社債や通貨を取引するヘッジファンドからも資金が流 出しやすい。「投資家は信用の質に懸念を感じている」と同氏は説明した。

ダイメント氏によれば、ヘッジファンド業界全体では今年、06年に比べ10 %増の1100億ドル(約13兆2630億円)が新規に流入すると予想される。また、 投資家は今年のリターンとして約10%を期待している。調査会社ヘッジファン ド・リサーチ(シカゴ)によると、06年のヘッジファンドのリターン(投資収 益)は13%だった。