米大統領の新イラク政策は「悲劇的な誤り」-上院から非難相次ぐ

ブッシュ米大統領が10日発表した増派を盛 り込んだ新イラク政策は、共和党上院議員やジョゼフ・バイデン米上院外交委員 長(民主、デラウェア州)からの非難を浴び、同大統領は火だるま状態だ。バイ デン委員長は同政策を「悲劇的な誤り」と指摘した。

チャック・ハーゲル上院議員(共和、ネブラスカ州)は11日行われた上院 外交委員会での公聴会で、ライス国務長官に対し、新政策は「米国にとってベト ナム戦争以来、外交政策面で最も危険な間違いだ」と語った。

委員会での議論は米国がイラクの宗派間対立に介入していくかどうかが焦点 となり、ブッシュ大統領がその政策を議会および国民に対して理解を求めていく ことの困難さを示す形となった。

ライス長官は大統領の2万1500人の増派計画を擁護したものの、イラク兵 が米軍とともに十分に戦えなかった場合に予想される事態については言及を避け た。ブッシュ大統領は増派により武装勢力を一掃し、イスラム教スンニ派とシー ア派の対立を終結させることを目指すとしているが、バイデン委員長は増派兵士 を「内戦のさなか」に放り出すことになると強調した。

ハーゲル上院議員は「イラクで見られている宗派間対立は制御不能な状態に 陥っている」とし、「米軍は、中東の消耗戦では勝利できない」と語った。また、 ノーム・コールマン上院議員(共和、ミネソタ州)は、イラク政府にブッシュ大 統領の政策を機能させるだけの決意があるかどうかは疑問だと指摘した。

ライス長官はイラクのマリキ政権に信頼を置いているかの質問に対し、イエ スと答えるとともに、「マリキ首相は同政権にはわずかな時間しか与えられてい ないことを理解していると思う」と語った。

ただ、政府当局者がこの日記者団に対し匿名を条件に語ったところによると、 ブッシュ政権高官の中にも治安回復に向けた新たな政策運営でマリキ首相の手腕 に対し懐疑的な者も複数いるという。