みずほ証、新光証:08年1月合併で基本合意-グループ収益力強化(5)

みずほフィナンシャルグループ傘下のみず ほ証券と新光証券は10日、2008年1月1日付で合併することで基本合意した と発表した。海外でも投資銀行業務を強化中のみずほ証とリテール(個人向 け)を中心に幅広い国内営業基盤を抱える新光証の統合により、総合証券サー ビスを提供する証券部門としてグループ収益力の強化につなげる狙いだ。

発表によると、新光証が存続会社となりみずほ証を吸収合併、株式上場を 維持する。新社名はみずほ証券で、本店所在地は現みずほ証の東京・大手町と する。社長にはみずほ証券の横尾敬介副社長が、会長には新光証の草間高志社 長が就く。合併比率については外部機関の評価も参考に今後決定する。直ちに 合併準備委員会を設置して部門ごとの合併に向けた調整に入るという。

グローバル化に対応、基盤を強化

東京証券取引所で開いた記者会見で横尾新社長は、法人・個人向けを含め 広い営業基盤を持つ新証券は「質、規模で国内ナンバーワンを目指す」と強調。 また草間新会長は「顧客ニーズがグローバル化、高度化するなかでマザーマー ケットの日本でしっかりとしたサービスを提供するためジャンプアップする必 要がある」と合併決断の根拠を説明した。

今回の合併は、景気拡大などを背景に大手銀行や証券グループが内外での 業務基盤の拡大に踏み出すなか、みずほコーポ銀の齋藤宏頭取が昨年秋ごろ 「そろそろ合併を検討したらどうか」と呼びかけたのが契機になったという。 みずほコーポ銀は新証券会社の50%以上の株式を保有する見通しだ。

野村証券の守山啓輔アナリストは両社の合併について「商品開発から販売 まで一貫して行える体制を整備できる利点がある」(10日朝付リポート)とメ リットを指摘。そのうえで「みずほFGは米国で金融持ち株会社の認可を取得 しており国内外の双方で銀行・証券連携のための体制整備が進む点は評価でき る」(同)と前向きに捉えている。

外資系との競争は激しい

合併により営業収益合計(06年3月期)は6074億円と日興コーディアル グループ(4885億円)を抜いて野村ホールディングス、大和証券グループ本社 に次ぐ国内3位の証券会社となる。金融界では、銀行の再編を契機に親密証券 などを取り込んでグループ運営を強化する動きが広がっているが、みずほ証は 「銀行系」の総合証券会社として存在感を高めることになる。

みずほFGは傘下銀などを通じてみずほ証券に82%、新光証券に約26%出 資しており、両社の合併は旧興銀系の法人向けとリテール証券の集約・強化と なる。新証券は、06年末に米国での証券業務の拡大に必要な金融持ち株会社の 資格を取得したばかりのみずほコーポレート銀行との連携も強化する。横尾新 社長は業務強化のため他社の買収も検討する考えを示した。

しかし、ソシエテジェネラルアセットマネジメントの中川博善シニアファ ンドマネジャーは「お互い弱い部分を補完できシナジー効果は見込めるが、外 資系証券会社がここ数年の間に存在感を強めており合併によって新会社の存在 感が大きく膨らむというわけではない」として、外資系との競争に打ち勝って 具体的な実績を積み重ねることが投資評価につながるとの見方を示した。

一方、みずほグループ内にはみずほ銀行が55%出資するリテール中心のみ ずほインベスターズ証券もあり、市場では「顧客別に組織を今後どうするのか という点を鑑みれば一歩前進ながら道半ば」(野村の守山氏)との指摘も聞か れる。会見で草間新会長は、みずほインベ証はみずほ銀行との関係を強化して いるとして「インベ証を含めた再編は今は考えていない」と述べた。

【両証券の概要】 ○みずほ証券:93年に日本興業銀行の100%出資で興銀証券を設立。00年に第 一勧業証券、富士証券との合併で社名をみずほ証券に。資本金1951億円。役職 員数は1742人(06年4月1日現在)。2006年3月期の連結営業収益は4545億 円、営業利益672億円、純利益は208億円。

○新光証券 :00年に新日本証券と和光証券が合併して発足。従業員数は3876 人(06年3月31日現在)。店舗数は94(同)。資本金は1252億円。06年3 月期の連結営業収益は1529億円、営業利益393億円、純利益は345億円。