世界市場に「深刻な修正」局面迫る、日本株は好調か-ファーバー氏

アジアを拠点に活動するファンドマネジャ ーで1987年の米株式相場急落を予測したマーク・ファーバー氏は8日、世界の 資産に「深刻な修正」局面が迫っており、今は売り時だとの見方を示した。

ファーバー氏はニューヨークでブルームバーグ・ニュースのテレビインタ ビューに応じ、「あらゆる資産市場が向こう数カ月後に深刻な修正に直面する 可能性がある。パニック的な売りとなれば買いを入れるべきだが、買いに熱中 している今の状況での最も懸命な行動は取引を清算することだ」と述べた。

香港で資産運用会社マーク・ファーバーを設立し、現在約3億ドル(約357 億円)の運用資産を抱える同社でマネジングディレクターを務める同氏は、2001 年に金投資を推奨。金相場はそれ以来、倍以上となっている。

ファーバー氏によれば、債券や株式、商品、不動産、美術品とあらゆる資 産市場でトレーダーが強気の見方を示しているのは、資産価値がピークに達し つつあることを示唆している。

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が まとめている先進国株式市場の世界指数は昨年18%上昇。米ウォール街の大手 債券トレーディング会社を対象とした調査では、07年は米国債相場が5年ぶり の大幅上昇になると見込まれている。

ファーバー氏は「私は今、資産の大きな買い手ではない。消費者物価イン フレが復活し、資産価値にマイナスの影響を与えようとしている情況となって いる公算が大きい」と語った。

アジア株と金・原油相場

「グルーム・ブーム・アンド・ドーム・リポート」を発行する同氏は、ア ジアの株式市場に投資するなら、シンガポールとベトナムだとしている。シン ガポールの株式相場は同国の金利水準と比べるとひどく高いというわけではな く、ベトナム株は「長期的にとてつもない可能性」を秘めているという。

昨年はベトナムのホーチミン株価指数が2倍以上に上昇し、アジアの主要 株価指数としては最高の上昇率となった。シンガポールのストレーツ・タイム ズ(ST)指数も27%高と、MSCIアジア太平洋指数の15%上昇を上回った。 今年に入ってもホーチミン指数はこれまで10%上昇、ST指数も0.6%高とな っている。MSCIアジア太平洋指数は1%安。

ファーバー氏は、今は世界の主要新興市場の株式には投資しないよう促し ている。新興市場の株式相場は06年、先進国を5年連続で上回る成績となった が、「新興市場は3カ月後に打撃を受ける可能性があり、私はロシア株や中国 株、インド株への投資に慎重だ」と話した。

家族とともにタイを拠点としているファーバー氏は、タイ株投資も回避す べきだとしている。タイ株式市場のSET指数はここ1カ月間で15%下げ、世 界の主要株式指数で最悪の下落率となっている。タイ中央銀行がバーツ投機抑 制を狙って導入した外国為替規制と、バンコクで昨年末発生した爆弾テロが嫌 気されている。同氏は「タイ株は非常に割安だが、今すぐ買い入れるつもりは ない。タイには現在、政治的な問題があり、向こう数カ月は様子見とする」と 述べた。

ファーバー氏は、日本株投資は今年、良好となる可能性が高いと予想。昨 年23%上昇した金相場については、金供給が減少し、インフレリスク回避のた め金需要が高まるとの見方から一段高を見込んでおり、「長期的に見れば、各 国の中銀が基本的に資金供給を増やすことは非常に明白であり、金供給は明ら かに限定的だ」と説明した。

原油相場も、中東など産油地域の政治的不安定が供給を脅かし、世界的な 需要も増え、上昇するという。「世界では毎日、新たな埋蔵が発見されるより 速いペースで石油が消費されている」と指摘するファーバー氏は、アジアの石 油需要がやがて倍増することから上昇トレンドが続くと話した。

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