06年の証券引き受けは過去最高-UBSとドイツ銀の出遅れ目立つ

証券会社は昨年、新規株式公開(IPO) や社債引き受けで過去最高となる367億ドル(約4兆3400億円)の手数料収入 を集めたが、UBSとドイツ銀行は出遅れが目立った。

ブルームバーグのデータは、両社の手数料収入の伸びが、引受業上位25社 の23%増の半分にも達していないことを示している。チューリヒに本店を置く UBSは手数料収入で2006年は5位と、前年の2位から後退。ドイツ銀も昨年 は8位と、05年の7位から順位を落とした。02年から首位となっている米シテ ィーグループが06年もトップを守った。

コミンベスト・アセット・マネジメント(フランクフルト)で730億ドル 相当の運用に携わるディル・バーシュ氏は、「UBSとドイツ銀は出遅れてい る。競争が激化すれば、両社は追加投資をし、より大きなリスクを引き受ける 必要がでてくる」と述べた。

トムソン・ファイナンシャルとフリーマンの米調査会社2社のまとめによ れば、プライベートエクイティ(未公開株、PE)投資会社が米国で引受業者 に06年に支払った手数料は前年比21%増の約29億ドル。投資不適格級のジャ ンク債発行や買収した企業のIPO関連の業務に対する需要が急増した。欧州 では、他人資本をてこに企業を買収するレバレッジド・バイアウト(LBO) を手掛ける企業が支払った引受手数料が46%増の7億6600万ドルになったとい う。

JPモルガン・チェースで欧州などの資本市場責任者(ロンドン在勤)を 務めるビスワス・ラグハバン氏は、今年について「企業買収関連の資金調達の 後押しが続き、再び驚くべき1年になるだろう」と話した。

モルガン・スタンレーは、PE投資会社が現金で投資資金を約4090億ドル 保有しており、投資不適格級の社債と融資を通じてさらに1兆2000億ドルの調 達が可能だと見積もっている。

利益見通し

UBSとドイツ銀は引き受けランキングでは後退したが、両社は昨年とも に増益となった。両社の株価はシティを含む競合金融機関を上回る成績となっ ている。ベアー・スターンズのアナリストは、「投資銀行業の収入に対するポ ジティブな見方が高まった」として、UBSとドイツ銀の07、08年の利益見通 しを上方修正した。

シティは昨年の引受手数料収入を24%伸ばして33億ドルとした。2位のゴ ールドマン・サックス・グループは43%増の28億ドル。モルガン・スタンレー は41%増の27億ドル、メリルリンチが29%増の25億ドルと続いている。

モルガン・スタンレーの株式シンジケート部門でマネジングディレクター (ロンドン在勤)、ヘンリク・ゴベル氏は、「中国やロシアといった新興市場 国の高成長が続けば、アジアと欧州が07年の世界の資金調達のより大きな部分 を担うだろう」と語った。