米国債(3日):上昇、議事録の景気下振れリスク拡大を好感(2)

米国債相場は上昇。米連邦準備制度理事 会(FRB)が発表した議事録で、連邦公開市場委員会(FOMC、12月 12日開催)が依然、インフレを最大の懸念と認識する一方で、複数のメン バーが景気下振れのリスクがやや高まったと判断したことが明らかになった。

ジェフリーズの米国債ストラテジスト、ジョン・スピネロ氏は、「イン フレ重視の姿勢に加え、会合以降に発表されたインフレ統計に改善がみられ ることを考慮すると、議事録は明るい材料と受け止められる」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時 11分現在、10年債利回りは前日比約2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)下げて4.67%。10年債価格(表面利率4.625%、2016年11月償 還)は1/8上昇して99 21/32。

FOMCは4回連続でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を

5.25%で据え置いている。12月会合以降、インフレがいずれ落ち着くとの FOMC見通しを裏付ける材料が相次いだほか、住宅と製造業の改善で 2007年に景気が持ち直すとの予想に現実味が増している。

12月会合の議事録は、「FOMCメンバーは、インフレリスクが依然、 最も大きな懸念で、一段の政策引き締めの可能性があることを声明で引き続 き伝えるべきだという見方で一致した」としている。

シティグループ・グローバル・ウェルス・マネジメント(運用資産約1 兆3000億ドル)の債券ディレクター、ドン・アレクサンダー氏(ニューヨ ーク在勤)は、「景気減速の方にやや軸足を移しつつ、なおインフレは早急 には解消されないとの確信を示した」と述べた。

製造業

12月の米製造業がやや拡大したことが統計で明らかになり、景気の力 強さが示されたことから、米国債相場は伸び悩んでいた。

米供給管理協会(ISM)が午前に発表した12月の製造業景況指数 (季節調整済み)は51.4と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想(50)を上回った。同指数で50は、景気の拡大と縮小の境 目を示す。

ドイツ銀行の上席投資ストラテジスト、ジェラルド・ルーカス氏(ニ ューヨーク在勤)は、「FOMCは当面は据え置きだ」と語る。「状況は ますます混乱するだろう」と付け加えた。

FOMCは4回連続でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を

5.25%で据え置いている。それまでは17回連続で0.25ポイントの利上げ を続けていた。

金利先物市場は4月までにFOMCが利下げに踏み切る確率を約 14%として織り込んでいる。前日は約17%だった。

ADP統計

朝方の米国債相場は、民間雇用者数の減少を好感して上昇していた。給 与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(AD P)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調査によ ると、12月の米民間部門の雇用者数は4万人減少と、11月の15万8000人 増からマイナスに落ち込んだ。減少は2003年4月以来初めて。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では、12月は12万人の雇 用者増加が見込まれていた。

ADPは統計発表を開始した昨年5月、同統計と労働省が毎月発表する 雇用者数には90%の相関度があるとしていた。

実際には両統計が一致しないこともあり、特に昨年6月にはADP統計 で雇用者数が36万8000人増加したために、米国債相場は下落したものの、 2日後に発表された労働省の雇用統計では予想を下回る10万7000人の雇用 者増が明らかになり、米国債相場は値を戻した。

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