産金業界で買収急増:06年は357件243億ドル-金鉱争奪戦激化

産金会社による買収がことし急増し、少 なくとも過去10年間で最高水準となった。新規の金鉱を発見するのが困難な 状況となっていることから、2007年も産金業界での買収が活発に行われる可能 性がある。

ブルームバーグが集計したデータによると、産金業界の06年の買収件数 は357件で買収総額は243億ドル(約2兆9000億円)。買収額ではカナダの ゴールドコープによる米グラミス・ゴールド買収が85億ドルで最大だった。 05年は、カナダのバリック・ゴールドによる、100億ドル規模のプレーサー・ ドーム買収など341件の買収が行われ、買収総額は162億ドルに上ったが、06 年はこれを上回った。

新規の鉱床の発見が既存の金鉱の枯渇に追いつかないなか、産金会社は供 給拡大に躍起になっている。また、6年連続の金相場上昇が買収資金の供給源 となっている。カナダのメタルズ・エコノミクス・グループによると、最低 250万オンスの埋蔵量を持つ金鉱の発見数は8年連続で減少している。

ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ロンドン)で、270 億ドル相当の運用に携わるグラハム・バーチ氏は「産金業界でM&A(企業の 合併・買収)が活発となっている背景には、新規の金鉱の発見が困難になって いる現状がある」と指摘。「産金会社がM&Aを行うのは埋蔵量を確保するた めだ」との見方を示した。

メタルズ・エコノミクス・グループによると、1992年から2005年までの 世界の産金量は11億オンスと、新規に発見された埋蔵量の1.8倍に上る。

99年に金相場が20年ぶりの安値である1オンス当たり253.20ドルまで 下落したため、探査向け投資が数年間にわたって縮小。新規の金鉱発見数の減 少につながった。メタルズ・エコノミクスの企業探査戦略担当ディレクター、 ジェイソン・ゴールデン氏によると、世界の探査予算は02年に約7億8000万 ドルと、12年ぶりの低水準となった。

「埋蔵地争奪戦」

世界4位の産金会社、南アフリカ共和国のゴールド・フィールズのイア ン・コッケリル最高経営責任者(CEO)は「埋蔵地の争奪戦になっている」 と指摘。「96年ごろから数年前まで探査資金は著しく減少していた」と振り返 る。産金業界はいま「代替となる金はどこから供給できるか」という切羽詰っ た課題に直面しているとの見方を示した。

ゴールド・フィールズは今月、南アにある世界最大の金鉱サウス・ディー プの権益の半分を15億3000万ドルでバリックから買収。同金鉱の残りの権益 を保有する南アのウェスタン・エリアズにも出資している。これにより、ゴー ルド・フィールズの金埋蔵量は約50%増加する見通し。

金相場は、20年ぶりの安値まで下落した99年以降、2倍以上に上昇し、 1オンス当たり629.90ドルとなった。5月12日には26年ぶりの高値である 732ドルに達した。インフレヘッジ手段や、対ユーロで下落しているドルの代 替投資先としての需要拡大を背景とした金相場の上昇により、新規の金鉱発見 のニーズが高まっている。

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