新日鉄社長:07年中に方針決定へ-中国やタイなどの設備増強問題

世界鉄鋼2位、新日本製鉄の三村明夫社 長は26日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、中国とタイでの自 動車用亜鉛めっき鋼板設備(CGL)の増強、ブラジルの高炉プロジェクトの 事業化調査(FS)に関して、今後1年以内に方針がまとまるとの認識を示し た。日系自動車メーカーは世界ベースでの増産に取り組んでおり、新日鉄にと っても成長市場の確保に向けた「大きなチャンス」と捉えている。

中国の自動車生産は、現在の増産ペースが続いた場合、08年末には年間 1000万台に到達する計算。現地ではトヨタ自動車やホンダ、日産自動車の生産 が本格化しているため「日系メーカーの生産はさらに伸びる」(三村社長)見 通し。新日鉄は、宝山鋼鉄(上海)、アルセロール・ミタル(ルクセンブル ク)と自動車用鋼板の合弁会社BNAを運営している。

またタイの自動車生産は100万台に達し、同国政府は10年までにこれを 倍増させる方針。タイ産自動車は、亜鉛めっき鋼板を使用する輸出車が多い。 三村社長は、こうしためっき鋼板の需要増加について「どう対処するか課題に なっている」と語った。設備コストの上昇などに注視している状況だが、判断 の時期について「2-3年はかけすぎで、1年程度」と述べた。

トヨタやホンダ、日産などの日系自動車メーカーは、世界同時好況を背景 とした需要拡大に対処するため、国際展開を加速。欧米やBRICs(ブラジ ル、ロシア、インド、中国)などの成長市場で拡販しており、スズキを加えた 4社の08年販売計画は06年比で200万台以上増える見通し。自動車には、冷 延鋼板や冷延鋼板を処理した亜鉛めっき鋼板などが使われている。自動車1台 に使われる鋼材約600-800キロのうち、亜鉛めっき鋼板は3分の1程度を占 める。

北米はミタルとの交渉次第-特殊鋼は国内生産維持

北米では、トヨタやホンダが増産を計画。三村社長は「顧客サービスの観 点から準備をしなくてはいけない」としながらも、現時点では合弁相手のミタ ルと設備増強について交渉中と述べるにとどまった。ウジミナスと新日鉄は、 年間500万トン規模の高炉建設に関するFSを行なっており「1年後には結果 が出る」(三村社長)。

三村社長は、成長市場における亜鉛めっき鋼板設備の増強に前向きな姿 勢を示した一方、自動車ギヤなどに用いられる特殊鋼棒鋼については、高度の 生産技術が求められることを挙げ「海外への技術移転は難しい。ノックダウン の形で提供する形を今後も続けたい」と語った。

新日本製鉄の株価は前日比3円(0.5%)安の639円(午後2時40分現 在)。

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