新日鉄社長:友好的提携戦略を継続-粗鋼4000万トン体制にめど(2)

世界鉄鋼2位、新日本製鉄の三村明夫社 長は26日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに対し、敵対的買収に 否定的な見解をあらためて示した。鉄鋼最大手アルセロール・ミタル(ルク センブルク)の誕生をきっかけに再編期待が加速しているが、同社は買収防 衛策の実施や、他社との友好的提携戦略の継続などを通じて「安定と成長」 を図る。

またブラジル鉄鋼会社ウジミナスのグループ会社化や、国内高炉3基の 改修など一連の施策を通じて、年間粗鋼ベースで4000万トン体制構築のめど は立ったとしている。

世界的な再編続く

鉄鋼業界では、90年代のデフレ不況などを契機とした再編の流れのなか で、アルセロール・ミタルの誕生が再編をさらに加速させている。三村社長 は、これに加えて投資ファンドが参入しやすい環境になっているため、「世 界の鉄鋼業界はより再編の方向に進む」一方で、買収の脅威に備えて業界2 位以下の企業間で「安定軸、対抗軸を形成する動きも広がる」との見方を示 した。

こうした流れを踏まえ、三村社長は「全然別の動きをするつもりはな い」として再編に取り組む姿勢を見せたが、同社は従来買収による規模拡大 に消極的なこともあり、現状では「敵対的買収は行わない」ことをあらため て表明した。買収価格の上昇に加えて、好景気下では各企業ともに独立意欲 が強いため、安定軸の形成に際しては「強固な形には至らず、ソフトな形で 進行している」という。

また新日鉄自体の取り組みについては、ミタルの規模拡大をにらみ、中 国の宝鋼集団や韓国ポスコとの提携強化、ウジミナスのグループ化などを実 施。「安定だけでなく、成長にも若干の重心を移した」(三村社長)として おり、5年程度で年間粗鋼ベース4000万トン強の体制を構築することに関し て「社長の役割は、ほぼ終わった」との認識を示した。

メリル・リンチ証券の榎本尚志アナリストは、最近のポスコとウジミナ スとの提携戦略を「ポジティブ」と評価。新日鉄は投資規模以上のものを得 られる可能性があり、2社への出資は「効率的な投資」との認識を示した。

新日鉄の株価終値は前日比1円(0.2%)高の643円。