米カーライル:日本で投資加速、07年500億円-電機など大型案件も(2)

企業買収で米最大手のカーライル・グルー プは日本での投資を加速する。2007年の投資額は同グループの日本参入後5年 間の投資累計額に相当する500億円程度へと一気に拡大する計画だ。大企業の間 でファンドを活用した子会社売却や、事業再編が加速し、電機業界などで大型の 買収案件を手掛ける機会が増すとみている。

カーライル・グループで日本代表を務める安達保マネージング・ディレク ターはブルームバーグとのインタビューで07年について「今までより大きなデ ィールができるだろう」と述べた。「事業の選択と集中を進めるいくつかの大企 業でも(子会社を売却する際に)ファンドを活用することが、1つのオプション として捉えられてきている」と指摘した。

経営者のMBO、LBO意識高まる

カーライルは7月に日本企業を対象とした買収ファンドとしては過去最大 となる総額2156億円を調達した。07年は3件の投資案件獲得を目指す。06年は 1件、05年は2件、それぞれ実績から引き上げる。投資額は年間500億円程度 を想定。これは日本に参入した2000年から5年間の投資累計額に相当する。

カーライルなどの世界的な企業買収ファンドは、日本企業が戦後最長の景気 拡大を追い風に、競争力や国際展開の強化に向けたM&A(合併・買収)を積極 化するとみている。日本のMBO(経営陣による企業買収)とPE(未公開株投 資)市場は今年、前年比2倍の89億ドルに拡大したが、同市場が急拡大してい るオーストラリアの半分にとどまり(ブルームバーグ・データ)、世界第2位の 経済規模の日本市場への関心は大きい。

クレディ・スイス証券の大楠泰治・法人本部長は、「企業経営者の間で、M BOが日常的な会話として語られるようになってきた」指摘。ただ「MBOやL BO(買収先の資産を担保とした買収)の発展はまだこれから。企業経営者はメ リットをまだ認識していないし、失敗することへの懸念も根強い」という。

日本のファンド資金、年初の3倍の9兆円に

カーライルの安達氏は、MBOが増加する業界の一つとして電機業界を挙げ た。「1000社近い子会社を抱える大企業があり、このままでは選択と集中に乗 り遅れてしまうし、海外との競争にも敗れてしまう懸念がある」として、国際競 争力などの向上を目指す動きが投資機会の増加につながるとみている。

ブルームバーグ・データによると、日立製作所の株主資本利益率(ROE) は1.55%で、欧州エンジニアリング最大手のシーメンス(10.98%)の7分の1、 韓国サムスン電子(20.36%)の13分の1にとどまる。日立は11月、2009年度 までの経営計画で、885ある子会社を700に削減する方針を明らかにした。低採 算事業の改善と資産の有効活用で利益率を高めるためだ。

日本プライベート・エクイティ協会によると、加盟28社の資金量は11月 27日時点で9兆円規模に達した。年初には3兆円程度だったが、米コールバー グ・クラビス・ロバーツ(KKR)やCITICキャピタル・パートナーズとい ったファンド会社が加わり、急速に資金量が膨らんだという。今後も資金流入が 見込まれることから、優良な投資先の確保が課題となる。

カーライルはグローバルに、これまで30%の投資利回り(IRRベース) を達成しているという。安達氏は、同社の日本ファンドを含め、いくつかの有力 ファンドではこれを上回る実績を確保していると指摘した。

--共同取材:中島三佳子、上野英治郎 Editor: Hirano

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