日興コーデ:子会社の不適切取引訂正、監視委は5億円の課徴金勧告(5)

日興コーディアルグループは18日、同社 子会社と孫会社間での債券取引で、不適切な会計処理による利益計上があった として、2005年3月期決算に基づく有価証券報告書を訂正すると発表した。04 年度中間期の経常損益段階で約157億円の減額となる。これを受け同社は金子 昌資会長や有村純一社長ら経営首脳の減給など社内処分も併せて発表。一方、 証券取引等監視委員会は金融庁に5億円の課徴金命令を勧告した。

発表によると、訂正対象は全額出資子会社の投資会社である日興プリンシ パル・インベストメンツ(NPI)と、その子会社のNPIホールディングス (NPIH)との間でNPIHがNPIに対して発行した他社株転換社債(E B債)の評価益の処理。05年3月期の連結経常利益を777億円から588億円に、 同純利益を469億円から351億円へとそれぞれ下方修正した。

同日午後、東京証券取引所で記者会見した日興コーデの杉岡廣昭・取締役 副社長は「訂正を行うことは資本市場の担い手として大変に申し訳なく思う。 内部管理体制を強化して信頼回復に努めたい」などと陳謝した。

証券取引等監視委員会は同日夕、日興コーデに証券取引法違反(発行登録 追補書類の虚偽記載という)が認められたとして、5億円の課徴金を支払う命 令をするよう金融庁に勧告したと発表した。課徴金の額としては過去最高額と なる。日興は問題となったEB債の発行による評価益を計上した05年3月期の 決算に基づいて05年11月に500億円の社債を発行していたことが法令違反に あたると判断した。

日興の説明によると、NPIが投資目的として東証1部上場のコールセン ター大手ベルシステム24買収の際、04年8月6日付で発行したEB債につい て、実際の発行は04年9月中下旬だったにもかかわらず、担当者が8月に発行 したと書類を改ざん。このため株価変動などの関係で実際より多額の含み益を 計上する結果となり、このEB債で逆に損失を出したNPIHを今回、連結対 象に含める訂正に至ったなどとしている。

監視委は不当利益計上と認定

一方、監視委の説明によると、NPIはEB債の評価益が生じることを確 認してから発行日をさかのぼり、本来計上できない利益を不当に計上したと認 定。また、NPIHの役員は全てNPIの役職員が兼務しており、NPIがN PIHの意思決定機関を支配していたのは明らかだとして連結対象に含めなけ ればならないと指摘した。

日興コーデ側はEB債の発行に関する書類改ざんについて「評価益の計上 を狙って行ったわけでなく、担当社員が自分のミスを取り繕うために行った」 (森田收・取締役財務部門執行役)と説明。NPIHは従来非連結化できる投 資育成目的との位置づけを主張していたが、改ざんを通じて発生した不適切な 利益を計上する行為が別の目的にあたると判断し、連結化に踏み切ったという。

金融庁の五味廣文長官は18日夕の記者会見で日興について「市場の信認は 証券会社などプレーヤーの倫理観で支えられるのが基本。こうした事案が再び 起きないような再発防止策を講じてほしい」と要請した。一方、東証は日興コ ーデ株式を監理ポストに割り当てると発表した。期間は同日から東証が上場廃 止基準に該当するか認定した日までとする。

日興コーデの社内処分では金子昌資会長と有村純一社長が07年1月から6 カ月間月額報酬の50%を返上する。NPI会長の平野博文取締役は日興コーデ ィアルグループの取締役を辞任するほか、NPI会長としての報酬を6カ月間 5割カットとする。日興コーデの杉岡副社長と当時の日興コーデのCFO(最 高財務責任者)だった日興コーディアル証券常務取締役の山本元氏は6カ月間 3割減額などとする。

課徴金については日興コーデグループの役員・社員などから連帯して負担 するとの申し出があるとしている。今後は財務報告に関する内部統制の強化な どの改善策を講じるという。

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