バーナンキFRB議長:中国に人民元上昇と変動幅拡大求める(2)

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長は15日、中国に対し、人民元の上昇や変動幅の拡大を容認し、輸出企業に 対する「実質的な補助金」をやめるよう促した。

同議長は中国当局者に対し、市場の優位性を高め、医療や教育制度を改善 し、中国人民銀行に独立性を与えるよう求めた。人民元に関しては、過小評価 によるゆがみによって、中国に無駄な投資やコストを伴う金融不安をもたらす 恐れがあると警告した。

北京での講演向け原稿で、バーナンキ議長は「一段の人民元上昇に加え、 変動幅拡大と為替レートは市場が決めるという究極的な目標が実現されれば、 効果的で独立した金融政策が可能になる」と強調し、これが「中国の将来的な 成長と安定を高めるものだ」と述べた。

バーナンキ議長はポールソン財務長官率いるブッシュ政権の訪中団に参加 し、北京を訪れている。議長は講演で、米経済や金利には言及していない。

中国は人民元の米ドルに対するペッグ(連動)制を2005年7月に廃止した ものの、それ以降の元上昇率は5.8%にとどまっている。また、1日当たりの変 動幅は中心レートから上下0.3%。

ポールソン財務長官が人民元については、「柔軟性」を高めるよう求めた 発言にとどめたのに対し、バーナンキ議長は中国の為替システムについて、よ り詳細な批判を展開した。

実質的な補助金廃止求める

同議長は、「市場が人民元の価値を決められる余地を増やせば、中国経済 の主要なゆがみの減少につながる。具体的には、過小評価された通貨が中国の 輸出企業にとって実質的な補助金となっている」と指摘した。

人民元がドルから完全に切り離されてはいないため、ドル相場がここ5年 では4年にわたって下落するなか、人民元も中国の貿易相手国の通貨に対して インフレ調整ベースで値下がりしていると、バーナンキ議長は説明した。その 上で、同議長は、「多くのアナリストが人民元は過小評価されていると結論付 けている。しかも状況は最近悪化している」と述べた。

同議長はまた、中国の資本市場について「前向きなステップはあるものの、 依然としてゆがんでおり、発展が遅れている」と指摘。市場に金利を決定させ、 「中央銀行の自主性を拡大させる」ことを当局に求めた。

中国の経済成長は国内総生産(GDP)の35%を占める輸出が押し上げる 一方、内需拡大は遅れている。バーナンキ議長は輸出依存が経済の「主要な不 均衡」だと指摘し、「米国の巨額の貿易および経常赤字とともに、中国の対外 黒字が世界の不均衡を生み出している」と批判した。

為替の管理フロート制を維持するため、中国の外貨準備は積み上がってい る。インフレ高進につながる通貨供給量の急増を防ぐため、人民銀は証券を発 行して外貨を市場から吸い上げる不胎化政策を実行している。これについて、 バーナンキ議長はいずれ「諸問題」を引き起こすことになるとし、「金融市場 の発展と成長」を妨げる結果になり得るとの見方を示した。

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