日本株は続伸、円安基調で輸出関連株や金融株が高い-鉄鋼株は反落

午前の東京株式相場は続伸。為替の円安傾 向を受けてソニーやトヨタ自動車、ヤマハ発動機など輸出関連株が買われた。 海外投資家の売り一巡による需給改善期待も相場を押し上げている。相場回復 や証券優遇税制延長方針から野村ホールディングスなど証券株が上げ、銀行株、 商社株なども高い。

住信アセットマネジメントの三澤淳一運用第2部長は「対ドルでの円高傾 向が続いていたため輸出株が売られていたが、このトレンド自体が後退しつつ ある。鉄鋼株はまだ投資妙味があると見ているものの、このところ大きく上昇 したため、今日は一服した形になった」と語った。

午前の日経平均株価は151円87銭(0.9%)高の1万6679円86銭、TO PIXは13.89ポイント(0.9%)高の1641.86。東証1部の売買高は概算で9億 6374万株、売買代金は同1兆1639億円。値上がり銘柄数は960、値下がり銘柄 数は613。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種26、値下がり業種7。銀 行、電気機器、輸送用機器、保険、情報・通信、証券・商品先物取引が上昇。 半面、鉄鋼や化学、鉱業、建設などが安い。

チャート上の窓埋め完了

米国株高や1ドル=117円台という3週間ぶり円安水準を受けて買いが先 行。日経平均株価は大証終値比170円高となっていたシカゴ先物にサヤ寄せす る格好で取引を開始した。10月27日と30日との間のチャート上の窓(空白) 埋めとなる1万6643円水準を朝方上回り、その後も輸出関連株や金融株など に買いが継続し、指数は徐々に値を上げた。

窓を開く前の戻り売りが出やすい需給面の水準を日経平均が上回ったこと で、10月高値1万6901円や心理的な節目である1万7000円が次の戻りめどと して意識されている。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「11月安値以降の戻り相場が継続して いる。世界同時株高が続く中で日本株は出遅れており、外国人売り一巡による 需給改善期待も安心感となってセンチメントが好転している」と指摘した。

大手商社株や銀行株が高い

相場全体の戻り歩調に伴ってきょうも投資対象の広がりが継続。鉄鋼株と 同様に好業績低PER(株価収益率)業種とされる大手商社株も買われ、三井 物産や三菱商事が続伸。川崎重工業など業績回復期待が出ている造船・重機株 の一角もにぎわった。

みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループなど銀 行株も上げた。銀行株については、「15日発表の日本銀行の企業短期経済観測 調査で景況感が上振れれば年内利上げの可能性もあるため、利上げヘッジとし て先回り買いが入っている一面もある」(牛尾氏)との見方があった。

日興コーディアル証券の大西史一シニアストラテジストは、「米国株高と 円安に加え、鉄鋼、食品、水産と業界再編の動きが広がっていることも刺激材 料となっている。午後に入って先物に前日同様の大口買いが入れば、日経平均 株価1万6700円もあり得る」とみていた。

「個々の銘柄のバリュエーションが割安に放置されている銘柄が多いた め」(大西氏)、業界再編が株式市場に刺激材料として働いている。

水産株は大幅高、DTS急騰

経営統合を前日発表したマルハグループ本社とニチロは、収益力向上への 期待が高まり、ともに急伸。マルハは午前の東証1部値上がり率3位、ニチロ はトップとなった。

公募増資の新株発行価格とオーバーアロットメントによる株式の追加売り 出し価格を1株8878円に決定したSUMCOは大幅高。12日付の日本経済新 聞朝刊が、容量が従来の1000倍の光ファイバー海底ケーブルを日ロ間に敷設 すると報道したKDDIは続伸した。日興シティグループ証券が新規に「買 い」(目標株価5800円)としたDTSは急騰。

鉄鋼株が反落、田崎真珠は急落

半面、連騰が続いていた鉄鋼株は総じて軟調。新日本製鉄は12日ぶり反 落。住友金属工業とJFEホールディングスはともに3日ぶり反落となってい る。このほか、原油価格下落から国際石油開発帝石ホールディングスなど鉱業 株も安い。売り上げ減少などから06年10月期の連結業績予想を下方修正した 田崎真珠は急落し、午前の東証1部値下がり率4位。

きょう東証・大証1部に上場したダスキンは公募価格1750円に対して同 値で初値をつけ、その後は公募価格を下回る動き。午前終値は1698円。

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