米国株:上昇、企業買収観測で航空関連中心に買い-ダウ21ドル高(2)

米国株式相場は上昇。年初来の伸びでは 2003年以来の高い水準だ。この日の相場は活発な企業買収が金融政策の先行き 不透明感を相殺した。

ユナイテッド航空親会社、UALが12日に企業買収・合併を発表する可 能性があると指摘したアナリストリポートを受け、航空株が上昇した。オンライ ン旅行会社のトラベロシティを傘下に持つセイバー・ホールディングスと、人工 関節を製造するバイオメットは、両社が企業買収のターゲットとの見方から買い が膨らんだ。

ブルームバーグがまとめたデータによると、年初来の米国における企業買 収規模は2000年に記録した過去最高の1兆6300億ドルに匹敵するペースで進 んでいる。ただ、12日の連邦公開市場委員会(FOMC)では当局者が経済に 対するリスク要因としてインフレ警戒姿勢を示す可能性があるとして、企業買収 を追い風に上昇したこの日の株価の伸びは抑えられた。

スワースモア・グループ(フィラデルフィア)で14億ドルの資産運用に 携わるカート・ブラナー氏は、「関係者は次の買収先を探している。それが相場 をさらに押し上げている」と語る。

S&P500種株価指数は前週末比3.20ポイント(0.2%)上げて1413.04。ダウ 工業株30種平均は同20.99ドル(0.2%)高の12328.48ドル。ナスダック総合指 数は同5.50ポイント(0.2%)上昇して2442.86。

S&P500は年初来13%値上がりしている。この水準で推移した場合、2003 年以来の高い伸びになる。当時は26%の伸び率を記録した。また同指数は今月 に入り、0.9%上昇した。

ベンチマーク(ニューヨーク)のアナリスト、ヘレナ・ベッカー氏は、UA Lが12日開くアナリスト会議で何らかの発表を行う可能性があると指摘した。 これに対しUALはコメントを避けた。この日のアメックス・エアライン・イン デックスは1.9%上昇した。コンチネンタル航空も買いが膨らんだ。

セイバー、バイオメット

セイバー・ホールディングスが急伸。米紙ニューヨーク・タイムズは匿名の関 係者を引用し、セイバーは40億ドル以上に上る身売りをめぐり、具体的に話し 合いを進めていると報じた。セイバーの広報担当はコメントを控えた。

バイオメットも高い。欧州最大の整形外科関連医療品メーカー、スミス・アン ド・ネフューはバイオメットに対し50億ポンド以上の買収案を提示する可能性 がある。10日付英サンデー・テレグラフが情報源を明かさずに報じた。

これについてスミス・アンド・ネフューの広報担当は11日、コメントを避け、 バイオメットの広報担当からの返答は得られなかった。

ジェフリーズ(ボストン)の首席市場アナリスト、アート・ホーガン氏は、「当 社はいくつかのM&A(企業の買収・合併)案件について話を聞いたが、さらに 多くの憶測がある。企業買収の傾向は多様な業界にわたっているので、興味深い ところだ」と語った。

FOMC予想

投資家の関心は12日のFOMC会合に集中している。ブルームバーグが実施 したエコノミスト101人を対象にした調査では全員が再び金利が据え置かれると 見込んでいる。FOMCは2004年から2006年6月まで連続17回利上げを決定 したが、現在はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を5.25%で据え置いて いる。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は9対7。出来高概算は13 億1000万株。3カ月平均を18%下回った。

全米不動産業者協会(NAR)は11日、2007年第1四半期の中古住宅販売は 年率629万戸のペースで増加するとの予想を明らかにした。一方、住宅販売の約 15%を締める新築住宅販売が回復するのは同年第4四半期以降になる見通し。

住宅建設のスタンダード・パシフィック、ライランド・グループはいずれも値 上がりした。

投資判断の引き上げ

米銀3位のJPモルガン・チェースは、モルガン・スタンレーが同銀の株式投 資判断を「イコールウエイト」から「オーバーウエイト」に引き上げたことから 買いが膨らんだ。モルガン・スタンレーは、JPモルガンの投資銀行および商業 銀行業務の拡大が増益につながるとの見方から投資判断を引き上げた。

海底油田・天然ガス掘削のグローバルサンタフェが高い。メリルリンチは、 「格好の企業買収先」として株価予想をこれまでの65ドルから74ドルへ引き上 げた。

化学大手のデュポンも上昇した。同社は遺伝子操作した種子開発拡大のため、 他部門で1500人の人員削減を計画、除草剤と農薬の生産を削減する。

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