米ジャンク債相場は03年以来最大の上昇-強気派と弱気派の予想逆転

2003年以来最大のジャンク(高リスク・高 利回り)債上昇相場にこれまで乗り遅れた米JPモルガン・チェースとモルガ ン・スタンレーは、今が買い時だという。一方、ジャンク債を推奨してきたス イスの銀行UBSは、年初来リターン(投資収益率)がプラス10.8%と昨年の 4倍に達しており、投資最盛期は過ぎた公算があると指摘する。

どちらが正しいにせよ、米証券大手2社のアナリストらはデフォルト(債 務不履行)率は過去最低水準付近で推移を続けると予想する。米企業収益の経 済に占める割合が1950年以来で最大となっているためだ。ジャンク債の販売は 年初来で過去最高の1630億ドル(約18兆7980億円)に達したが、来年も発行 企業は問題なく資金調達できそうだ。

プルデンシャル・インベストメント・マネジメントで130億ドル相当のジ ャンク債運用に携わるマイケル・コリンズ氏は、「向こう2、3年について、私 はかなり強気だ。ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は平均して、引 き続き非常に強い」と述べた。

コリンズ氏は先週、インタビューに応じたが、プルデンシャルはどの債券 にも投資できる複数のファンドの運用総額1530億ドルのうち、約15%をジャン ク債に割り当てたと述べた。同比率は3カ月前には10%を下回っていた。

モルガン・スタンレーのジャンク債アナリスト、ブライアン・アースノー ルト氏はジャンク債のリターンは2%、JPモルガンの同ピーター・アクシア バティ氏は3%にすぎないとこれまで予想していたが、今では投資家に買い時 だと勧めている。アースノールト氏は先週、インタビューで、投資家はベンチ マーク同様の比率でジャンク債を保有するべきだと述べた。

強気派は弱気派へ転じる

一方、UBSのスティーブン・アントツァック氏は8%のリターンを予想 していたが、来年はジャンク債保有を減らした方が良いと投資家に勧めている。 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのチーフエコノミスト、 ジョン・ロンスキ氏もリターンは4%へ低下すると予測する。

40/86アドバイザーズのエリック・ジョンソン社長は、「相場の強さには 少々驚いている。今年下期にかけて弱含むと思っていた」と語る。同社長は約 8%のリターンを見込んでいる。

2007年もジャンク債相場が上昇すれば、プラスのリターンが続くのは5年 連続となり、少なくとも1986年以来で最長の上げ相場となる(メリルリンチ調 べ)。米商務省によれば、企業収益は今年7-9月期の国内総生産(GDP)の

12.4%を占め、この規模はこの56年で最大だった。また、JPモルガンによれ ば、ジャンク債のデフォルト率は過去1年間で1.8%と、05年の2.6%を下回っ た。

JPモルガンのアクシアバティ氏は、「良好な信用力からすべてが始まって いる。デフォルト率の低さを背景に、投資家はリスクを取るのに前向きになる。 07年のジャンク債の運用成績は今年同様になるだろう」と語った。同氏は、デ フォルト率は来年に2-2.5%へ上昇するが、過去25年間の平均(4.3%)は下 回ると予想している。

アクシアバティ氏は、「ドミノ効果の様相を多少呈しているが、米経済に建 設的な見方を持つ人々は高利回り債に強気になっている。私もその1人だ」と 述べた。

メリルリンチによれば、ジャンク債の米国債に対する利回り上乗せ幅は

3.20ポイントで、これは昨年末時点の3.65ポイントを下回っている。このスプ レッドは過去10年では平均して約5.50ポイントだった。