3選果たしたチャベス・ベネズエラ大統領:勝利はブッシュ大統領の敗北

12月3日に投票が行われた大統領選挙で3 選を果たしたチャベス大統領(52)は、自らの勝利がブッシュ米大統領の敗北 だとして、中南米の権益に対する米国の影響力との戦いを続ける決意を表明し た。ベネズエラの石油収入を引き続き社会保障政策に投じる方針もあらためて 示した。

今回の勝利で、チャベス大統領は友人であり師でもあるキューバのカスト ロ国家評議会議長から、中南米の反米的政権の盟主の座を引き継ぐ準備が整っ た。チャベス大統領は過去最高水準の石油収入を使ってキューバ向け原油輸出 を補助するほか、ボリビアやエクアドルの反自由貿易政策を後押ししている。

ウェブスター大学(セントルイス)の政治学教授、ダニエル・ヘリンガー 氏は「チャベス大統領は原油が外交面での力を高める武器となる資源だという ことを知っている」と指摘。「他の中南米諸国指導者が口にできない米批判を 恐れることなく表明できるという点で、カストロ議長の後継者だ」と話した。

ブッシュ米大統領を「悪魔」と呼ぶチャベス大統領は、3日の選挙の開票 がほぼ終わった時点で61%の得票で再選された。これにより、さらに6年間、 大統領の職を続けることになる。1998年に初当選して2000年に再選された同大 統領は、憲法を改正し自身の任期を延長する方針を明らかにしている。

チャベス大統領は3日夜、こぶしを振り上げながら演説し、「われわれは 米帝国に教訓を与えた」と語り、「悪魔に対する新たな勝利だ。われわれは2 度と、米国の植民地にはならない」と宣言した。ベネズエラは米国が消費する 原油と石油製品の約12%を供給している。

米国務省の報道官、ジャネル・ヒロニマス氏はワシントンで、米国はベネ ズエラ国民に「自らの政府と国家の進む道を選択する」権利があることを認識 していると述べた。

元ビンガムトン大学教授のジェームズ・ペトラス氏は、ソビエト連邦の崩 壊とその後の経済低迷で影響力を失ったカストロ議長と異なり、大量の原油資 源を持つベネズエラのチャベス大統領は社会主義と反米の主張を地域全体に広 げる経済的な力があると語った。

ただ、チャベス大統領はボリビアでの改革を支援しているものの、メキシ コとペルーでは支持した大統領候補が敗れている。マイアミ大学の国際関係研 究責任者ブルース・バグリー氏は、原油価格が下落すれば、同大統領による域 内諸国の取りまとめは難航するだろうと話している。