楽天の高山CFO:EC事業の営業利益率は回復-金融事業も再建努力

インターネット仮想商店街最大手の楽天の 高山健最高財務責任者(CFO)は24日までにブルームバーグニュースとのイ ンタビューで、2006年第4四半期(10-12月)の電子商取引(EC)事業で営 業利益率30%台を回復するとの見通しを明らかにした。また、金融関連事業に ついてはコスト削減などの経営努力で早期の立て直しに自信を示した。

高山CFOは、主力のEC事業について「クリスマスシーズンには大きな伸 びが出てきている」と指摘したうえで、経営体制刷新でコスト管理を強化するな ど、「4Q(第4四半期)にはEC事業の営業利益率30%を回復させる」と述 べた。さらに、「来期の第1四半期は達成できるかわからないが、今後も(営業 利益率)30%以上のマージンは維持していかなければならない」と強調した。

楽天のEC事業の第3四半期売上高は前年同期比74%増の142億円、前期 比では3.1%増と売上高ベースでは順調。営業利益率は、上半期に先行投資を進 めすぎたことでマーケティングコストや販売促進費などが増大し、第1四半期 34%、第2四半期27%、第3四半期24%と減少傾向にある。

金融事業回復へ向け努力

楽天はクレジット・ペイメント事業で、オートローン事業をオリエントコー ポレーションに売却し、今後はネットと親和性の高いカード事業とファイナンス 事業に注力する方針だ。第3半期に事業譲渡に伴う経費など特別損失299億円計 上して事業を再構築した。この結果、同事業の第3四半期の営業損益は84億円 の赤字となった。

高山CFOは、楽天KCについて「人員など固定費的な負担をどう吸収して いくかが当面の課題」と指摘する。損益見通しに関しては、第4四半期が「若干 の赤字」とし、「来期の第1四半期は損益均衡、第2四半期で利益を上げ、第4 四半期では巡航速度に持っていきたい」と述べた。

証券事業については、株式相場低迷の影響などから「厳しい環境にある」と の認識を示したものの、投資信託など商品ラインナップを拡充させるほか、イン ベストメントバンキング事業として手数料ビジネスを取り入れることで、業績回 復を図ると述べた。さらに、システム関連費用について、見直して「ベストに転 換していく」との方針を示した。

中核、非中核事業の見極め厳格化

楽天は来年春をめどにウェブ上で東京都民銀行の楽天支店の設立を進めてい る。三木谷浩史社長は16日の業績発表で、「97年当時に考えていた事業の主要 アプリケーションは一通り実現した」と述べた。高山CFOも、銀行業務の準備 は順調で「ネット上で提供できるサービスはほぼ揃った」としながらも、「ただ、 揃えただけでは意味はない。きちっとエグジット(出口)まで考えなければいけ ない」と強調。金融事業からプロ野球球団「楽天ゴールデンイーグルス」運営ま でグループの各事業をマネジメントする際は、目先の収益性だけにとらわれず、 「コア、ノンコアを見極めながら厳格に行う方針」と語った。

新規事業

楽天は11月から、国内携帯電話最大手のNTTドコモと共同で、ドコモが 展開する「iモード」サービスに対応したインターネットオークションのサービ ス「楽オク」を開始。PC版のサービスもそれに先行して始め、オークション事 業で先行するヤフーを追撃する。三木谷社長はオークション事業を将来的に事業 の柱の1つに育てるとの方針を明らかにしている。

高山CFOは、NTTドコモとの提携によるオークション事業「楽オク」に ついて「しばらく先行投資が続き来年の収益化は難しいかもしれない」との見通 しを示す。ただ「楽天のシナジー(相乗)効果の意味が大きい。新規のユーザー をグループに取り込むことに意味がある」として、「現在のiモードの利用者は 約4700万人だが、その3分の1に当たる2010年までには1500万人、流通総額 では楽天市場に匹敵するほどの4000億円規模を目指したい」と抱負を語った。

--共同取材 Mike FIrn, Emily Yamamoto Editor:Asai

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