アドバンテッジ:ライブドア金融部門買収、計551億円-MBOへ(4)

投資会社アドバンテッジ・パートナーズは22 日、証券取引法違反(有価証券報告書虚偽記載など)の罪で起訴されているライブ ドアの金融部門を買収すると発表した。負債を含め総額551億円で事業を譲り受け る。経営陣などの出資を募ってMBO(経営陣による企業買収)を実施したうえで 事業を立て直す。ライブドアは収益源の事業を手放してネット事業などに特化する。

アドバンテッジは、ライブドアの金融中間持ち株会社ライブドアフィナンシャ ルホールディングス(LFH)の全株式を176億円弱で12月20日に取得する。L FHのライブドア向け債務376億円も段階的に肩代わりしていく。LFHは全額出 資子会社としてライブドア証券、ライブドアコモディティ、ライブドアクレジット、 ビットキャッシュ、ライブドアカードなどを保有している。

こうした金融事業をアドバンテッジは一気に収めることになる。LFHについ ては経営陣や従業員の出資を募集、MBOまたは経営陣と従業員による企業買収(M EBO)をして独立させる。アドバンテッジはLFHの再生を支援していく。

記者会見したLFHの清水幸裕社長は「現経営体制を維持する方針」と述べ、 社長として留任すると強調した。アドバンテッジのリチャード・L・フォルソム共 同代表パートナーは「3年から5年の保有期間をめどにして、落ち込んでいった事 業を再生させる」と語った。現時点ではリストラの考えはないとしている。

証取法違反の罪が確定した場合、ライブドアはライブドア証券への出資比率を 20%よりも引き下げざるを得なくなる公算が大きい。信用力の低下から他の金融事 業への影響も懸念され、金融事業を一括して売却することを検討していた。これに 伴い日興シティグループ証券とモルガン・スタンレー証券を財務アドバイザー(F A)に選任、アドバンテッジを事業譲渡先に決定した。

アドバンテッジは、焼肉レストラン「牛角」やコンビニエンスストア「am/ pm」を展開するレックス・ホールディングスと組んで、レックスのMBOを実施 すると10日に発表したばかりだった。また、カネボウのスポンサー(支援企業)3 社のうちの1社に産業再生機構が選定している。

日本ではユニゾン・キャピタル、MKSパートナーズと並んで「投資ファンド 御三家」の1社と称されている。

ライブドア、ネット事業を中心に

ライブドアはLFH株式売却や債権回収による資金について、証取法違反に伴 う損害賠償請求に対応する形で信託口座に預けることを検討している。賠償請求に 伴い信用力の低下を食い止める効果を狙っている。ライブドアをめぐっては、有価 証券報告書虚偽記載により株価が暴落したなどと複数の損害賠償請求の訴訟がすで に提起されている。

金融事業はライブドア証券を中心にライブドアの収益の核を担ってきた。これ を分離するライブドアは本業のネット事業を中心に利益を確保していくことになる。

ライブドアについては、USENの宇野康秀社長がフジテレビジョン保有株を 買い取り2位株主(筆頭株主は前社長の堀江貴文被告)になり、取締役にも選任さ れた。USEN本体もライブドアとの資本提携を検討しているが、結論は出ていな い。