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住友信託:中国強化で政府系ファンドに出資-アジア収益500億円へ(2)

住友信託銀行は中国での事業を強化する。 同国の政府系プライベート・エクイティ(PE)への投資など投資事業を始め たほか、資産運用や不動産業務への参入も視野に行内に専門組織を設置した。 経済成長の高い伸びが見込める中国事業の強化により、現在約150億円のアジ ア地域の経常収益を今後数年で500億円規模に拡大したい考えだ。

こうした方針は海外事業を担当する雨宮秀雄執行役員が明らかにした。住 友信託が出資したのは、政府系投資会社の中国国際信託投資公司(CITI C)グループのCITICキャピタル・パートナーズが中国企業を投資対象に 10月に組成した2億2000万ドル(約260億円)のファンド。出資額は公表し ていないが、中国内のほかのPEファンドへの出資も検討中という。

住友信託は昨年5月に上海に支店を開設。現地の日系企業向け融資などを 中心に事業展開している。今後の収益機会を広げる目的で10月には部門横断組 織である「中国アジア委員会」を設置した。雨宮執行役員は「全世界から金融 機関が押し寄せる中国で、われわれは強みである資産運用や不動産分野を中心 に焦点を当てる」と述べ、今期中にも具体化を進めたい意向を示した。

中国は外資系金融機関に信託業務を禁止しているため、将来の規制緩和を にらみながら対応を進める。住友信託のアジア地域の経常収益は154億円と全 体の数%にとどまるが、中国事業の強化によって「少なくとも2倍から3倍ぐ らいのイメージには持っていける」(雨宮氏)とみている。事業拡大に向けて 現地の複数の金融機関と事業提携についての話し合いも進めている。

野村証券の守山啓輔アナリストは大手行のアジア戦略について「非日系企 業向け取引をいかに伸ばすかが課題」と指摘。そのうえで「アジア経済圏は今 後も高成長が見込まれるが、中期的なテーマとして欧米銀行並みの現地化戦略 に踏み切るかについても注目したい」との見方を示している。

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