東エレク会長:07年度売上高10%近い成長、営業益1500億円も視野(3)

半導体製造装置メーカー国内最大手、東京エ レクトロンの業績が、半導体の需要拡大を受けて06年度に続き07年度も過去最高 を更新する見通しだ。東哲郎会長兼CEO(最高経営責任者)は、07年度の売上高 は10%近くの増収が期待できるとの予想を示した。

東会長は14日夕のインタビューで「07年度の売り上げは10%近く成長する可 能性がある」と述べ、9000億円台前半に突入すると示唆。10%の増収になれば、売 上高は単純計算で9130億円となる。従来目標だった売上高営業利益率17%を07年 度にも達成すれば、営業利益は1500億円程度となる公算だ。

06年度は売上高が前期比23%増の8300億円、営業利益は同72%増の1300億 円(営業利益率は15.7%見込み)と、ともにIT(情報技術)バブル期のピークだ った2000年度を超えて6年ぶりに過去最高を更新する。東会長は「17%の利益率 に手が届きそうな状況。これを早期に通期として達成し、その後は2-4年かけて 20%に高めたい」と意欲を示した。

安定成長と多様化

強気の見通しの背景には、半導体市場の安定成長と多様化がある。世界半導体 統計(WSTS)は、06年の世界半導体市場が前年比8.5%増の2467億6800万ド ル、07年は同8.6%増の2678億8300万ドルに拡大すると予測。かつて、半導体市 場はパソコンやメインフレーム(汎用大型機)の需要サイクルに依存していたが、 携帯電話やデジタル家電など民生用、さらに通信、自動車、医療など産業用にも広 がり、シリコンサイクル(半導体市況の波)の変動幅が小さくなっている。

このため、東会長は「市場のけん引役が変わった。市場が広範かつダイナミッ クに動いており、大きな成長期に入っている」と強調。「すべての機器が無線のブ ロードバンド(高速大容量)でつながるなか、半導体のニーズはますます高まる」 と、半導体製造を支える装置メーカーの成長余地は高いとみている。

07年度の業績見通しについて、CLSA証券の宮本武郎アナリストは15日付 リポートで、売上高を前期比11%増の9189億円、営業利益を同29%増の1519億 円と試算。東会長の示した見通しに対し、「量産効果が出て増収による利益率改善 も期待できる。10%の増収は難しい目標ではないだろう」と述べた。

高水準の受注環境続く

世界的な半導体需要の拡大を背景に、同社の半導体製造装置も順調に販売を伸 ばしている。特にDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ ー)などメモリー向け装置が好調で、受注高は、7-9月期までに3四半期連続で 2000億円超の高水準で推移。東会長は「10-12月期も同じレベルになるだろう。 07年1-3月期も大きな変化はないと思う」と、来春まで同じ傾向が続くと予想す る。

日本半導体製造装置協会(SEAJ)が7月に発表した需要予測によると、06 年度の日本製の半導体・液晶製造装置合計の世界販売額は前期比12%増の2兆 2900億円と、過去最高を更新する見通し。同社の受注高は、将来の先行指標である とともに、半導体市場の先行きを占ううえで多くの投資家が注目している。

東京エレクトロンは、半導体製造工程の前半に使われるウエハープロセス処理 装置の分野で国内最大手、世界では米アプライド・マテリアルズ(AMAT)に次 ぐ第2位。成長に向け、東会長は「半導体製造技術は、自社開発、他社との協業開 発、買収による技術の先取りの3つを軸に積極展開する」と語った。

12月上旬には、半導体のトランジスタ加工を担うエッチャーや成膜装置といっ た主力製品群で4種類の新製品を発売する計画。既存分野の製品を強化するほか、 製造プロセスの微細化で複雑になった多層配線技術をサポートする配線形成装置や、 ウエハーの表面加工装置などにも本格進出する予定だ。さらには、薄型テレビ用の 次世代パネルとして有望な有機EL(エレクトロニック・ルミネッセンス)の製造 装置開発にも着手、これらを含む新規事業の育成に取り組む。

●四半期ベース・単独の受注高の推移(単位:億円、カッコ内は受注残高)
         1-3月     4-6月    7-9月    10-12月
2006年   1948(3309)  2152(4018)  2076(----)
2005年   1308(2920)  1105(2662)  1321(2564)  1555(2917)
2004年   1469(2608)  1760(2966)  1328(3480)  1121(3361)
2003年    658(1383)   783(1499)  1267(1722)  1904(2675)
2002年    756(1350)  1269(1960)   893(1800)   664(1750)
2001年    584(2600)   647(2300)   273(1500)   256(1300)
2000年   1631(2487)  2057(3275)  2144(3900)  1451(3900)

東京エレクトロンの株価は前日比210円(2.4%)高の8970円(午後2時18分 現在)。

--共同取材 PAVEL ALPEYEV Editor:Murotani

パベル・アルペエブ PAVEL ALPEYEV (81)(3) 3201-2137 palpeyev@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo (81)(3)3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

テオ チャンウェイ Teo Chian Wei (813)3201-3623 cwteo@bloomberg.net