政府税調会長:株式優遇税制の廃止、経過措置も-法人税率は35%(2)

政府税制調査会(首相の諮問機関)の本間正 明会長(大阪大学大学院教授)は15日夕、ブルームバーグ・ニュースなどの取材 に応じ、来年以降期限を迎える株式優遇税制の扱いについて、来年度税制改正で 一気に全廃するのではなく、経過措置も検討する必要があるとの考えを示した。 また欧州やアジアに比べ高い法人税の実効税率については、現行の約40%から欧 州並の35%程度への引き下げが必要との考えを示した。

本間会長は株式の譲渡益・配当課税の優遇措置廃止について「暫定措置も考 えていく必要がある」と指摘し、「1つの判断材料は、市場の乱高下をいかに抑 えて行くか。(廃止しても)本格的な落ち込みの原因にはならないが、少なくと も短期的に調整局面の原因になることは全く否定できない」述べ、一気に20%に 戻すことに慎重な姿勢を示した。

14日に開かれた税調会合では株式優遇税制を、本来の20%に戻すべきとの考 えでおおむね一致。同時に、どのような表現で税制改正の答申に盛り込むかにつ いては、他の金融商品取引との損益通算を可能にする金融所得課税一体化の問題 や株式市場への影響などを考慮したうえで決めるとしていた。

法人税

法人税の実効税率について会長は「少なくとも法人税が足を引っ張ることに なってはならない」と述べ、「欧州並の法人実効税率へのアプローチは、できる だけ早く対応をとる必要がある」と指摘。一方で、30%以下のアジア並の水準に 下げることについては財源確保の観点から「組み合わせとして消費税を増税して 法人税は減税するのかという議論が出てくる危険性がある」と述べ、否定的な見 解を示した。

法人税率の引き下げのスケジュールについては、まず「国民に法人税を下げ る意味をきちんと説明しなければならない」と述べ、来年度税制で拙速の実現で きないと述べた。そのうえで07年から議論を本格化し早ければ08年度から段階 的に引き下げるべきとの見解を示した。さらに会長は「2011年ぐらいの中で、法 人税体系がその辺の姿になれば良いと思っている」と述べ、5年間程度の期間を 経て、欧州並の35%程度への引き下げていくことが望ましいとの考えを示した。

一方で、減価償却制度の見直しについては「今年(の税制改正議論)で、国 際的な標準に持っていくことが望ましい」と述べ、同制度の見直しを先行させる 考えを示した。会長はまた今後2年間は経済成長加速のための「離陸期間」と位 置づけ、自然増収なども見込まれることから法人税改革を通じた「減収」を中立 化させるための「増収」措置をセットで行うことは、「厳格に行わなくてもよい のではないか」と語った。

会長は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の実現を目指す 2011年度までに消費税を含めた税制の抜本改革を目指すべきとの考えを示した。

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