東エレク:通期増額、営業益ITバブル超え最高-7-9月大幅増益

半導体製造装置メーカー国内最大手の東京エレ クトロンは14日、06年度通期の連結業績予想を上方修正すると発表した。主力の半 導体製造装置事業がメモリー向けに好調で、営業利益は従来予想の1130億円から前 期比72%増の1300億円と、2000年度に記録したIT(情報技術)バブル期の最高 益を更新する。売り上げ、営業利益、純利益がそろって過去最高になる見込みだ。

売上高は従来予想の8000億円から前期比23%増の8300億円、純利益は700億 円から同71%増の820億円を予想。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み 読み出しメモリー)などメモリー向け製造装置の販売が予想を上回るほか、MPU (超小型演算処理装置)などシステムLSI(大規模集積回路)向け装置も堅調に 推移するとみている。

上方修正に伴い、連結配当性向20%の方針に沿って年間配当を1株当たり92円 に増配する。従来予想は同72円だった。研究開発費も550億円の予算を580億円に、 設備投資も230億円から300億円にそれぞれ増額。仙台の薄型パネルの研究拠点を 買収し次世代パネルの技術開発や、コータ/デベロッパーなどの装置の組み立てや 加工を担う九州の工場拡張などに充てる。

通期の売上高営業利益率は16.3%と、2000年度とほぼ同水準に近づく。従来目 標の17%の利益率が視野に入り、中期的には20%を達成したい考え。東哲郎会長は 同日夕の投資家説明会で「高付加価値の新製品を年末に積極投入し、来期以降の収 益をさらに拡大させる」と述べた。

受注高、10-12月期以降も2000億円超に

会見した原田芳輝執行役員は「DRAM向け装置の需要がひじょうに強い」と 説明。06年度に入り、受注高は各四半期ベースで2000億円を超える高水準が続いて いるが、10-12月期と07年1-3月期についても「いずれも2000億円以上になる だろう」としている。

日本半導体製造装置協会(SEAJ)が7月に発表した需要予測によると、06 年度の日本製半導体・液晶製造装置合計の世界販売額は前期比12%増の2兆2900億 円と、過去最高を更新する見込み。ハイテク調査米ディスプレイサーチは06年(暦 年)の液晶製造装置の設備投資が、世界で前年比11%増の117億9000億ドルに拡大 すると試算している。

7-9月期純利益95%増

同時発表した06年7-9月期(第2四半期)の連結純利益は前年同期比95%増 の209億円だった。全売上高の75%程度を占める主力の半導体製造装置の販売が好 調だったことが寄与した。特にDRAMやフラッシュメモリー(電気的に一括消 却・再書き込み可能なメモリー)を積極増産する半導体メーカーからの受注が伸び、 収益に貢献した。

7-9月期の売上高は同22%増の2113億円、営業利益は同2.2倍の323億円だ った。将来の収益の先行指標である半導体・液晶製造装置の受注高は単独ベースで 2076億円と、前年同期の1321億円から大きく伸びた。同社の受注高は将来の収益の 先行指標であるとともに、半導体市場の先行きを占ううえで多くの投資家が注目し ている。

大和総研の光田寛和アナリストは、東京エレクトロンの第2四半期などの業績 について「分かっていた数字」と述べるとともに、通年業績の上方修正については 「利益率が改善していれば、ポジティブ」と語った。また「今年は設備投資が活発 だったことに加え、(半導体メーカーが)在庫を抱えているので工場の稼働率が落 ちていくとみられる」とし、「来年は需要の伸び悩みにより、業績は上がりにくい だろう」と語った。

中間期も過去最高益

9月中間期決算も、売り上げ、営業利益、純利益とも過去最高を記録した。連 結純利益は前年同期比55%増の372億円と大幅増益を達成。DRAMやフラッシュ メモリーなどメモリー向け製造装置の大幅伸張がけん引し、売上高は同17%増の 3906億円、営業利益も同61%増の582億円となった。昨年末に投入した利益率の高 い新製品の売り上げや、コストダウン効果による原価率の改善も利益を押し上げた。

半導体製造装置事業の売上高は同19%増の2839億円。地域別の動向は、売り上 げ比率の高い国内が同17%、米国も同17%、韓国が同37%、欧州が同32%、それ ぞれ2ケタ増収となった。液晶製造装置事業の売上高は同22%増の525億円だった。

東会長は「かつて、パソコンやサーバー向け需要に隷属していた半導体の需要 は、携帯電話、携帯音楽プレーヤー、ネットワークインフラ向けなどにも広がって いる」と説明。これを受けた半導体メーカーの旺盛な投資意欲を受けた製造装置の 市場について、佐藤潔社長は「06年は前年比20%、07年は5-10%、成長すると思 う」と強気の見通しを示した。

同社は半導体のトランジスタ加工を担うエッチャーや成膜の製造装置で強みを 持ち、製品により6割から9割の世界シェアを持つ。今後は配線加工を担う製造装 置やウエハーの表面加工装置、洗浄装置なども強化する予定。東会長は「プラズマ の新技術を用いた新製品や、有機EL(エレクトロ・ルミネッッセンス)用の装置 なども開発していく」と語った。

●四半期ベース・単独の受注高の推移(単位:億円、カッコ内は受注残高)
         1-3月     4-6月    7-9月    10-12月
2006年   1948(3309)  2152(4018)  2076(----)
2005年   1308(2920)  1105(2662)  1321(2564)  1555(2917)
2004年   1469(2608)  1760(2966)  1328(3480)  1121(3361)
2003年    658(1383)   783(1499)  1267(1722)  1904(2675)
2002年    756(1350)  1269(1960)   893(1800)   664(1750)
2001年    584(2600)   647(2300)   273(1500)   256(1300)
2000年   1631(2487)  2057(3275)  2144(3900)  1451(3900)

東京エレクトロンの14日終値は前日比400円(4.8%)高の8760円。

--共同取材 PAVEL ALPEYEV、近藤雅岐 Editor:Murotani

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