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みずほFG:国内リテール基盤拡大に重点投資-3年でITに4500億円

みずほフィナンシャルグループは当面の経営 課題として、傘下のみずほ銀行を中心に国内リテール(個人向け取引)基盤の強 化に最も力を入れる方針だ。特に向こう3年ほどは情報通信(IT)技術の高度 化や営業拠点の拡大に重点投資して顧客取引の活性化を図る。前田晃伸社長がこ のほどブルームバーグ・ニュースとの単独インタビューで明らかにした。

具体的には、年間の連結純利益の4分の3に相当する約4500億円をIT投資 に振り向けるほか、相談業務などを手がける個人向け小型有人拠点100程度を増 設する。みずほFGは8日、旧三菱銀行以来17年ぶりにニューヨーク市場への上 場を果たし大手邦銀の復活を印象付けたばかりだが、景気も回復期にあり1700兆 円もの個人金融資産を抱える「ホームグラウンド」重視を鮮明にする。

手本はアメリカ型でも展開は国内

みずほFGの前田社長は「海外で資本を食うような投資銀行業務をバンバン やっていくのはちょっと早すぎる」と指摘。そのうえで「日本がデフレ解消で改 善しているとき、海外に人と資本を使っていたら日本で置いていかれてしまう。 資本を使うならリテール分野の伸びが見込める日本のマーケットだ」と述べ、収 益の8割を占める国内業務の強化を最優先する考えを示した。

住信アセットマネジメントの羽賀誠シニアファンドマネージャーは「証券会 社はうさん臭いが銀行は信頼するという人が多い日本で、みずほがリテール銀行 業務を重視する戦略は正しい」と評価。みずほは本当に客が欲しいならば「徹底 的に顧客の資産情報などを調べ運用アドバイスなどを手がけるべきだ」とし、銀 行の信用力を武器に資産運用業務などを拡大する余地はあるとみる。

みずほFGの前田社長はリテール銀行の手本として米サンフランシスコを拠 点とする多店舗展開型の大手地銀ウェルズ・ファーゴをあげる。みずほ銀行の国 内営業拠点は3月末で約460とウェルズ・ファーゴの6200に比べると極めて少な い。前田社長は拠点増設とともに、約2600万ある顧客口座が稼働して収益化する よう顧客を分類できるインフラ整備などに重点投資したいという。

バブル期の海外投資ではリスクも

野村証券の守山啓輔アナリストは、公的資金を完済した大手邦銀は今後、資 本蓄積に入り、その使途が重要になると指摘。「80年代後半には国際部門のアセ ットを増やして収益性が落ちリスクが高まるという悪循環や本業と全く関係のな いビジネスの買収もあった」と過去の海外戦略を振り返る。みずほの前身の一角 の旧富士銀行は買収したノンバンクをバブル崩壊で手放した経緯がある。

みずほの前田社長は「われわれは正直言って病みあがりだ。起き上がったと きにどこでプレゼンスを高めるのか。国内リテールはコストもかかる激戦区だが、 一番の成長分野だ」と国内重視をあらためて強調。今後は「コンサルティングの ためのデータベースやマーケティングに必要なシステムをアップグレードする」 と具体策に言及し、膨大な顧客基盤の収益化に自信を示した。

みずほ銀行では今年3月、米ゴールドマン・サックスなどの外資系証券など が入る六本木ヒルズ6階に、相談業務を手がける小型有人店舗を開設。こうした 拠点を08年3月期中に約100店舗まで増やす方針で、今後数年で約80兆円の退 職・年金を受け取る団塊の世代などに投資信託や年金保険、外貨預金、住宅ロー ンなどを販売する。一方、利用頻度に応じた優遇制度なども拡充する方針だ。

--共同取材:高井夕起子 Editor: Hirano(T.Ueno)

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