アジア株に「サンタクロース」相場-先週の最高値から一段の上昇も

先週過去最高を更新したアジア太平洋地域の 株価指数の上昇は、まだ始まったばかりかもしれない。過去のデータは年内の 一段の上昇を示唆している。

2004、05年の日本を除くアジア株は、11、12月の2カ月間に同年中の最大の 上昇を演じた。今年は年末商戦での米消費拡大や、海外からの資金流入への期 待がアジア地域の株価を押し上げている。

先週は、オーストラリアと香港、インド、インドネシア、シンガポール、ス リランカの株価指数が過去最高を更新した。モルガン・スタンレー・キャピタ ル・インターナショナル(MSCI)の日本を除くアジア太平洋株指数は前週 末比0.9%上昇し、5月に付けた過去最高値にあと0.3%と迫った。

アジア・ジェネシス・アセット・マネジメント(シンガポール)のトレーデ ィングマネジャー、チョン・ジーキン氏は「米経済の見通しが、アジア株の『サ ンタクロース』相場の舞台を整えた」と指摘。「投資家は今年も、例年のよう な年末の上昇を期待している」と話した。

台湾最大のエレクトロニクス製品メーカー、鴻海精密や米ウォルマート・ス トアーズとターゲットに商品を供給する香港のリー・アンド・ファンなどが、 米国からの需要増の恩恵を受けている。

ブルームバーグ・データによると、投資家は11月に入り、アジア太平洋地域 の新興6市場で計1億1780万ドル(約138億円)相当を買い越した。シティグ ループによると、投資家は過去4年にわたり、11、12月に日本を除くアジア株 を買い越している。

同地域のMSCI指数は過去10年中7年で、11、12月に上昇している。1997 と03の両年を除いては、2カ月間のパフォーマンスとして11、12月は年平均 を上回った。上昇は先週で8週連続となり、1月以来で最長に達している。

一方、地域最大の市場である日本株の上昇の公算はそれに比べて大きくない。 日経平均の2カ月のパフォーマンスで11、12月が年平均を上回ったのは過去10 年で5回にとどまる。

今月発表された米経済指標は、米国が住宅減速を乗り切っていることを示唆 している。10月の失業率は5年ぶり低水準、11月のミシンガン大学消費者マイ ンド指数は92.3と、1年余りで最高だった10月の93.6から若干低下した。

全米小売業協会(NRF)の9月の予想によると、11、12月の米小売売上高 は前年同期比5%増の見通し。05年の6.1%増には届かないものの、過去10年 の平均の4.6%は上回る。

新製品が世界的な消費拡大を促す可能性がある。年末商戦に向けて任天堂と ソニーは新型家庭用ゲーム機を投入。米マイクロソフトは基本ソフト(OS) の新バージョン発売を控えている。

コメルツバンク・アセット・マネジメント・アジアで運用に携わるアブリン ・チャン氏は「相場はまだハイテク企業の業績見通しを織り込んでいない」と 述べ、「ハードディスクドライブ部品やゲームなどで需要堅調が見込まれる」 との見方を示した。

一方で、相対的に高い株価がアジア株買い控えの要因となる可能性もある。 シティグループのアジア担当チーフストラテジスト、マーカス・ロスジェン氏 (香港在勤)によると、日本を除くアジア株のPBR(株価純資産倍率)は11 月初めに平均で2.2倍となっている。11月としては過去16年で2番目の高さだ という。

ロスジェン氏は「アジア株のパフォーマンスは堅調だった。現時点で注意が 必要なのは株価の水準だ」として、「一段の上昇は見込まれるものの、今年の 年末の上昇は例年よりも緩やかかもしれない」と話した。

日本株については、輸出堅調だけでは上昇の原動力とならない可能性がある。 日本企業の見通しでは、07年3月通期の税引き前営業利益は前年度比2.1%上昇 と、06年4-9月(上期)の12%増から減速する見通しだ。東京海上日動火災 保険で運用に携わる中島史博氏は、企業業績の先行きへの悲観的な見方から、 日本株は地域の他市場に比べ出遅れていると指摘した。