米民主党:共和党の友に「恨み」も-得するのはヘッジファンドか?

上下両院の過半数を奪回した民主党が目指す 政策は、医薬品と石油業界に厳しく、ヘッジファンドや証券業界には甘い内容 となっているが、これは米議会では長年の習わしを反映している。つまり、政 敵には厳しく、友人には甘いという立場だ。

民主党は2005年成立のエネルギー法に盛り込まれた米エクソンモービルなど 石油業界向け28億ドル(約3290億円)相当の補助金を見直すとしており、フ ァイザーなど医薬品業界にはメディケア(高齢者向け公的医療保険)向け薬価 引き下げを迫る予定。これら2業界は、共和党へ今年最大の資金援助を行った 業界だ。

一方で、民主党はヘッジファンド規制には慎重なアプローチを取っており、 米金融業界が望むように米企業改革法(サーベンス・オクスレー法=SOX法) の見直しに着手する可能性があるとしている。金融業界は7日の中間選挙で勝 利した民主党へ多額の寄付を行っている。

共和党下院院内総務を務めたディック・アーミー氏は、民主党が「過半数を 取っていた共和党に過剰な支援を行ったとみる勢力には大きな恨みを持ってい るに違いない」と述べる。

民主党の優先政策の決め方は、過半数奪回の結果に終わった過去の選挙の前 例に倣っているようだ。共和党は議会過半数勢力となった1995年、民主党の伝 統的な支持基盤だった労働組合や法廷弁護士らが反対していた政策を推進し た。

得するのはヘッジファンドか?

議会の多数派勢力の移り変わりで得するのは証券業界だろう。ワシントンの 政治資金監視市民団体の責任ある政治センターによれば、証券業界は中間選挙 に向けて4830万ドルを寄付したが、同金額は不動産業界に次いで2位で、その うち52%が民主党に渡ったという。

また、連邦選挙委員会によれば、今年1-6月期に主要ヘッジファンド100 社や企業買収会社50社の従業員による寄付金は740万ドルで、そのうち、500 万ドルが民主党向けだった。

金融サービス業界にとって、SOX法の見直しは優先事項だ。次期下院議長 となる民主党のナンシー・ペロシ院内総務(カリフォルニア州)は先週、イン タビューで、中小企業の負担を減らす目的で同法の修正を検討すると述べてい る。

また、下院金融サービス委員会の委員長となる見込みのバーニー・フランク 民主党議員(マサチューセッツ州)は10月のインタビューで、ヘッジファンド 規制に関する公聴会は「われわれが真っ先に着手する事項の1つではないだろ う」と述べた。