ウォール街の大手証券5社:ボーナスは過去最高の360億ドルへ(2)

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ウォール街の歴史において、これほど多くの 人がこれほどの短期間に多額のボーナスを得たことはない。

ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレー、メリルリン チ、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、ベアー・スターンズの5社は、 合計17万3000人の従業員に対し総額360億ドル(約4兆2489億円)のボーナ スを支給する見通しだ。これは、過去最高だった昨年を30%上回るもので、シ ティグループとバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースの米3大銀 行や数百のヘッジファンドやプライベート・エクイティ(PE、未公開株投資) 会社が支給するボーナスは含まれていない。

サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、ブラッド・ヒンツ氏 は、企業買収や株式トレーディングやクレジット・デリバティブ(派生商品) が前例のない規模に膨らむなか、「大手証券会社にとって今年は過去最高の年と なるだろう」と指摘した。

大手証券5社の従業員1人当たりの平均ボーナスは、著名人のパリス・ヒ ルトンさんなどが気に入っている2ドアクーペ、ベントレー・コンチネンタル GT(16万5000ドル=約1946万円)を十分に買える水準だ。

今年の勝ち組はクレジット・デフォルトスワップ(CDS)の専門家だけ ではなさそうだ。ニューヨーク市は投資銀行の予想を上回る利益などを理由に 財政赤字見通しを先週87%下方修正した。ニューヨーク州の会計検査院は10月 17日、金融業界が支払った賃金に対する所得税収が2006年度は14%増加し24 億ドルになる見通しを示している。

富を創造

「投資銀行ほど一貫して幅広く富を創造している業界はない」と話すのは、 金融機関向け人材紹介会社、ホイットニー・グループのゲーリー・ゴールドス タイン氏。調査会社トムソン・ファイナンシャルのアナリスト予想平均による と、ゴールドマンとモルガン・スタンレー、メリル、リーマン、ベアー・スタ ーンズの5社の今年の総収入の合計は1280億ドルに上る見通し。

5社は総収入の40-50%を報酬や手当ての費用としている。リーマンの最 高財務責任者(CFO)などの経歴を持つヒンツ氏によると、各社はその金額 の60%程度を年末ボーナスに充てている。ラザードのような小規模の専門金融 機関では、総収入に対する従業員への支給分はさらに大きい。

今年の1人当たり平均ボーナスは20万ドルを超える見通しで、一部には 4000万ドルを超える金額を手にする人もいるようだ。最大のボーナスを受け取 るのは、原油やCDSの市場で自己売買するトレーダーたちとみられる。

証券業界で過去最高益となる84億3000万ドルの利益が今年見込まれるゴ ールドマンでは、ボーナスも業界最高となる見通し。ゴールドマンの従業員の 総報酬は1人当たり平均で約65万9000ドルとなる見通し。これは同社総収入 のアナリスト予想357億ドルと過去5年間の平均報酬比率(47.4%)、6-8月 (第3四半期)期末の従業員数2万5647人を基に計算したもので、これには1 人当たり平均で約39万8000ドルのボーナスが含まれている。

シティグループのサンフォード・ワイル前会長は10月27日のインタビュ ーで、「最も優秀で才能ある人材を確保するために支払わねばならないものだ」 と述べ、「企業は競争力をつけなければ、良い人材を失うだろう」と語った。

米大手証券会社5社の予想総収入と報酬、手当て、従業員数を基にした平 均ボーナスを以下の表に示した。%表示と平均の額を除く数値の単位は10億ド ル。

企業名       ゴールドマン モルガン メリル  リーマン  ベアー

総収入       $35.7     $33.6     $32.5     $17.4     $9.0

報酬比率      47.4%     41.8%     49.5%     50.1%     48.8%

総報酬        $16.9     $14.0     $16.1     $8.7      $4.4

ボーナス基金  $10.2     $8.4      $9.7      $5.2      $2.6

従業員数      25,647    54,349    55,300    24,775    13,000

平均報酬     $658,946  $257,594  $291,139  $351,160  $338,462

平均ボーナス $397,707  $154,556  $174,683  $210,696  $203,077

(各数値の計算方法は以下の通り。総収入はトムソンのアナリスト予想平均を 使用した。報酬比率は各社の総収入に対する報酬と手当ての比率の過去5年平 均。総報酬は総収入予想に平均報酬比率を乗じた。ボーナス基金は推定総報酬 の60%とした。従業員数は第3四半期末の正社員総数。平均報酬は推定報酬を 従業員数で除した。平均ボーナスはボーナス基金を正社員総数で除した)

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