日本初の地震専門保険、米マーシュ・マクレナン元ブローカーが設立(3)

米保険ブローカー最大手のマーシュ・アン ド・マクレナンの元従業員らが日本初の地震専門の保険会社を設立、今月から国 内の個人向けに地震保険を販売することが明らかになった。保険業者に関する規 制緩和を受けた動きで、地震大国といわれる日本で、しかも大都市圏での大地震 発生のリスクの高まりが指摘されるなかでのスタートは関心を集めそうだ。

この地震専門保険は「日本震災パートナーズ」(東京・千代田区)。マーシ ュの日本支社で企業買収に関するリスク分析などを行っていた多田健太郎氏 (35)らが設立し、同氏が代表取締役社長に就任した。規制緩和で認められるこ とになった「小額短期保険業者」の第1号として10月に関東財務局に登録を済ま せ、今月末から販売に着手する。

同社の計画では1600万戸の潜在顧客を相手にインターネット上で地震保険を 販売する。例えば3人世帯では、年間約2万円の保険料で、建物が全壊の場合は 最大600万円、大規模半壊では同300万円受け取れる。保険金の使途は原則自由。 多田社長はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、小額でも既存の地震 保険との組み合わせ、有事の際の生活再建費用にしたいというリテール需要があ ると述べた。

「多くの人々が自分には大きな震災は起こらないだろうと信じているが、一 方で万が一の場合には果たして生活を立て直すことができるのかと不安に思って いる」――と多田社長は言う。「既存の火災保険に付帯する地震保険は火災保険 の保険金額の30%から50%の範囲内と補償が不十分なため、追加的な保険へのニ ーズはかなりあると思う」と述べた。

初年度の売上は1億5000万円、5年後は40億円を目指しており、株式公開 を行う計画があるという。また、スイスやロンドンの大手保険会社と提携し再保 険することでリスクを回避する計画だ。現在、日本震災パートナーズにはマーシ ュ出身の多田社長の他に、米資産運用会社ピムコ出身の斉藤福光氏(副社長)な ど、国内外の金融機関出身の12人の保険などのプロフェッショナルがいる。

政府が2005年2月25日に発表した調査によれば、2000年以降に起きた東京 近郊での大規模な地震の数はそれ以前の4年間に比べ40%増加した。また、首都 圏を襲うマグニチュード7規模の地震が起こる確率は今後30年間で70%あるとい う。

多田社長は1995年、慶大法学部卒。その後AIU保険に入社。1999年にマー シュに移籍し、ロンドンと東京で勤務した。デューク大学で2003年にLLMの修 士号を取得している。趣味はゴルフとテニス。

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