【個別銘柄】富士フ、JT、コマツ、銀行株、ライオン、パイオニア

株式市場の主な銘柄の動向は以下の通り。

富士フイルムホールディングス(4901):2.5%高の4450円で終了。10月 31日に発表した06年9月中間期の連結純利益は前年同期比28%減となったが、 構造改革費用の計上が響いた格好で、液晶材料、カラー複合機などは伸びてい る。同社株は長らくTOPIXコア30指数採用銘柄の時価総額ランキングで しんがりを務めてきたが、この日の富士写株上昇と日立株下落に伴い、時価総 額も2兆2900億円に浮上、日立を抜き30社中29位となった。

JT(2914):終値は4.7%高の53万4000円。一時は53万8000円を付け 上場来高値を更新した。海外たばこ事業の好調に加え、コスト削減などで収益 は過去最高レベルに増大している。日本を代表する好業績銘柄の一角とみられ、 幅広い投資家層から買いが入っているようだ。

コマツ(6301):1.9%高の2150円と続伸。世界的なインフラ投資の増加と 資源開発の活況によって建設機械の需要が伸びている上、経営資源の集中投下 で競争力が一段と強まっている。建機事業の売上高営業利益率はこの中間期実 績で13.7%に達し、前年同期から3.2ポイント向上。野村証券の齋藤克史アナ リストは、「構成比率44%のエマージング地域の売上伸長と堅調な西欧にけん 引され、増益基調が続くだろう」と分析。

銀行株:東証銀行株指数は3日ぶりに反発し、1.4%高の432.59に。証券 代行や不動産業務の好調で、中間期の純利益予想を増額修正したみずほ信託銀 行(8404)は、4.6%高の294円と急反発。外国人投資家の買い観測や、円高 による輸出株敬遠の動きも一因との声があった。

東海理化(6995):13%高の2645円と急騰し、東証1部の上昇率2位。 トヨタ自動車の生産好調と円安により、9月中間期の業績が計画を上回った。 製品構成の悪化や費用増加で業績悪化が警戒されていただけに、想定外の好業 績と受け止められた。

村田製作所(6981):商いの中心である大証1部市場では0.7%高の8240円 と小幅続伸。携帯電話やデジタル家電の普及に伴い、受動部品の需給がひっ迫、 業績拡大期待が根強い。主力の積層セラミックコンデンサーの増産のため設備 投資計画を25%上積みしたため、今後も安定的な成長が可能とみられた。

東日本旅客鉄道(JR東日本:9020):1.7%高の83万2000円。長期債 務の圧縮で金融収支が改善していることが確認できたほか、東京圏への人口回 帰で鉄道事業や非運輸事業ともに堅調なため、今後も安定的に収益を積み上げ ていけると期待された。

エーザイ(4523):0.3%安の5970円と小幅安。主力の認知症治療薬「アリ セプト」が国内で好調に推移、2007年3月期の業績は過去最高を更新する見通 し。アナリストの間では、会社側予想を上回る実績が可能だとの見方が多いが、 「株価には高値感がある」(クレディ・スイス証券の酒井文義シニアアナリス ト)との声も出て、積極的に買い進む向きが少なかった。

筒中プラスチック工業(4225):18%高の516円でストップ高買い気配の まま終了。21万株超の買い注文を残した。親会社の住友ベークライト(4203) が株式公開買い付け(TOB)と株式交換によって完全子会社化し、吸収合併 すると発表。買い付け価格が前日終値を23%上回っていることから、市場で株 券を調達してTOBに応じれば利益が得られる、とみられた。

中国塗料(4617):7.6%高の789円と大幅高。国内の工業用塗料の値上 げが浸透、採算性の改善などから2007年3月期の連結経常利益は期初計画比 4%増の52億円と過去最高を記録する見通し。07年の年明けから新造船用途 についても値上げを実施する予定となっているため、安定的な収益拡大が期待 された。三菱UFJ証券は投資判断を「2(買い)」から「1(強い買い推 奨)」に引き上げ。

ライオン(4912):急落、一時は6.3%安の576円まで売り込まれ、一気 に年初来安値を更新した。歯磨きやシャンプーなど家庭品事業の競争が激しく なっているうえ、原材料費の高騰もあって収益性が低下している。日興シティ グループ証券は投資評価を「中立(2)」から「売り(3)」に格下げし、目 標株価を660円から520円に修正した。

パイオニア(6773):0.9%安の1845円。今期のプラズマTVの販売計画 を期初計画から下方修正したことを受け、先行きの業績に対する警戒感が浮上 した。午前の取引で7月24日以来、約3カ月ぶりに1800円を割り込む場面も みられた。

ツムラ(4540):8.8%安の2385円。東証1部下落率ランキングで2位。同 社の米国展開の柱になると期待されてきた漢方薬「TU-025」の開発が大幅 に遅れることが10月31日に明らかになり、失望売りが殺到した。出来高は 250万株で、過去5営業日の終日出来高の平均(24万3000株)の10倍以上。

三菱地所(8802):0.2%安の2795円。日本銀行が前日公表した展望リポー トで、物価上昇幅が次第に広がると示され、年内の利上げの可能性が残ったこ とを背景に不動産株が売られる流れとなった。三井不動産(8801)は変わらずの 2880円。

富士重工業(7270):3.6%安の651円と3日続落。国内を中心に自動車 販売が不振で、07年3月期の収益計画を下方修正した。トヨタ自動車が販売を 伸ばしていることとは対照的で、自動車セクター内での投資魅力が劣るとみら れた。

日立製作所(6501):変わらずの675円で終了。一時は2.8%安の656円ま で下げ、年初来安値の644円が意識された。中間決算は事前予想を上回ったが、 前年同期比で大幅な減益だった。ハードディスクドライブ(HDD)の不振が 続いているうえ、中部電力などの原子力発電所で相次いで見つかったタービン のひび割れ問題に伴う費用が見込まれることから、早期の抜本的な改革を求め る声が高まっていた。

アコーディア・ゴルフ(2131):1日付で東証1部に新規上場し、18万 8000円の初値が付いた。公募価格19万5000円からの下落率は3.6%。同社は もともと1981年にゴルフ練習場運営会社として設立された。その後、ゴール ドマン・サックス・グループに買収され、業績不振のゴルフ場の再生に取り組 むとともに、買収などで運営ゴルフ場を増やしてきた。3月末時点の運営事業 所数はゴルフ場91、練習場1。終値は18万4000円とさらに下げた。

三洋堂書店(3058):1日付でジャスダック市場に新規上場した。取引開 始と共に付いた初値は1699円で公募価格の1600円を6.2%上回った。設立は 1978年12月。名古屋を拠点に2府7県に80店(06年9月末時点)の書店チ ェーンを展開する。終値は1615円。