ドコモCFO:番号継続制での契約減は「想定内」、巻き返しに自信

NTTドコモの平田正之副社長兼CFO(最 高財務責任者)は10月31日夕、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応 じ、10月24日の番号継続制度(MNP)開始を受けた利用者移動について「静か なスタートであり、想定内」だと述べた。

同29日時点ではKDDIが8万人の純増、ドコモが6万人の純減だった。こ りは両社が30日に発表した数字。関連して平田CFOはドコモ対ソフトバンクで は、ドコモへの流入者の方が、流出よりも「若干多かった」と語った。

この数字を単純計算すれば、残る唯一の携帯電話会社であるソフトバンクモ バイルは2万人減となる。しかし、同社の孫正義社長は30日夜の記者会見で「転 出より転入希望が多いと聞いているが、数字は持っていない」と述べていた。

こうした矛盾について平田CFOは「悪く言えば、日々のデータは操作可能。 1週間や10日見て判断しないと特定できない」とも指摘した。各社は8日に、10 月末現在の契約数を発表する予定。

同CFOはそのうえで、ドコモはMNPをにらんだ新端末を11月に本格投入 すると強調。「スタートダッシュ」ではKDDIに先行されたものの「本格的な 姿はこれから見えてくる」として、巻き返しに自信を示した。

MNP競争、すでに後半戦

MNPについては「事前には業界全体で国内契約の1割に当たる900万が移 動するとの見方もあった」としたうえで、それに対して実際のところ、導入後数 日の動きはあまりにも小さいと指摘。「大きな市場変動は起こらないだろう」と 述べた。

理由として、MNPをめぐる競争は、1年以上前に各社が顧客囲い込み目的 で家族割引などを導入した際に水面下で始まっており「すでに後半に入ってい る」と主張した。そうした中で、新端末投入により「われわれへの転入も増える と思う」と自信を示した。

本当に得か、を説明

MNPをめぐっては孫ソフトバンクモバイル社長が導入前日の23日、格安料 金を掲げた「予想外割」の導入を電撃的に表明。その次の週末となった28日に同 社がシステム障害を起こし、2日連続でドコモやKDDIとの顧客移動も止まる 騒ぎになった。

平田CFOは予想外割について「一般的には必ずしも値下げではないので は」と指摘。実際に携帯を使用した場合、ソフトバンクとドコモのどちらが得か 試算したパンフレットを販売店に配布し「顧客に比較を十分説明する」と言明。 孫社長の料金戦略に関しては「アピール力はあるかもしれないが、顧客はそれだ けで動くわけではない。そんなに脅威は感じていない」と述べた。

また、予想外割では端末コストの利用者負担が前提であり、1年以内に解約 すれば数万円を徴収される可能性があるにもかかわらず孫社長が「ゼロ円」を看 板に掲げている点について、平田氏は「公正競争の面で疑問がある。消費者保護 が重視されている中で勇み足だったのでは」と、やんわり批判した。

奨励金負担、「今年がピーク」

ドコモの9月中間決算では、端末の市場価格を抑える補助金である販売奨励 金の1台当たり支給額が3万7000円と、前年同期比で2000円上昇したことから、 220億円の減益要因が発生した。

同CFOはこの理由について、高コストな分、販売奨励金を増額して市場価 格を維持しなければならない第3世代端末「FOMA」の販売比率が主体になり、 奨励金支給も増えたためと説明。奨励金負担については「今が一番、苦しい時だ が、今年がピークだと考えている」と語った。

ただ、過去2、3年間進んできた、第2世代の「mova」からFOMAへ の契約者移動が一巡して「FOMA比率が上がる余地が限られる」ほか、コスト が低めで「奨励金が小さい」FOMA端末の市場投入も進めていることから、奨 励金負担は来期以降、軽減されるとの見方を強調した。

ドコモは9月中間決算の発表に合わせ、通期の売上高予想を従来から390億 円に減額した。この理由について平田CFOは、MNPを控えて上半期に解約率 が低下し、買い替えなども減ったことから「顧客に実際に販売する端末数が落ち たためだ」と説明。「下方修正というよりも、市場に見合った適正な行動を取っ た」と語った。ただし、端末販売数が落ちた分、かかるコストも下がる」ため、 利益予想は据え置いた、と説明した。

ドコモの株価は、前日比1000円(0.6%)高の18万円(午後1時53分現 在)。

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