北朝鮮が6カ国協議復帰へ、米国は歓迎しつつ制裁の確実執行訴え(5)

北朝鮮が、同国の核問題をめぐる6カ国 協議に復帰する見込みであることが31日明らかになった。これにより、およ そ1年にわたって中断していた6カ国協議が再開する運びとなった。

ヒル米国務次官補が確認したところによると、中国、米国および北朝鮮の 6カ国協議の首席代表者が同日、北京市内で非公式に協議した。その結果、12 月までに6カ国協議を再開することを決定した。

ブッシュ米大統領は北朝鮮を外交による交渉の場に復帰させたとして、中国 の働きかけを賞賛しつつ、国連制裁の確実な執行を求めていくと述べた。大統領 はワシントンで、「検証可能な形で北朝鮮が核兵器開発を断念するよう」解決策 を話し合いで見出す必要があると語った。

6カ国協議が最後に開催されたのは昨年11月。北朝鮮は米国による金融 制裁が解除されない限り、協議には復帰しないとの姿勢を示していた。米政府 当局者は北朝鮮が求めた米朝2国間協議を拒否し、同国に対し6カ国協議への復 帰を要求してきた。6カ国は、北朝鮮、米国、韓国、中国、日本、ロシア。

米国の首席代表であるヒル国務次官補は31日、北京で記者団に対し、 「北朝鮮は金融制裁の解除をわれわれに求めた」と明らかにし、「2005年9 月に6カ国協議が採択した北朝鮮の核兵器放棄を確約する共同声明について、 同国はこれを順守する意思を繰り返し表明した」と付け加えた。

アナン国連事務総長は報道官を通じ、「早い時期に協議を再開し、アジアの 緊張緩和につながる建設的な結果が生み出されるよう期待する」との声明を発表 した。

米ホワイトハウスのゴードン・ジョンドロー国家安全保障会議(NSC) 報道官は、「米国はこの発表を歓迎し、近く協議が再開されることを心待ちに している」と述べた。

「検証可能な核放棄」

北朝鮮は7月5日にミサイル7発を試験発射し、10月9日には核実験を 実施。これに対し国連安保理は、同国に対する制裁決議を採択した。

ヒル国務次官補は、「米国は北朝鮮に対し、2回目の核実験の停止を協議 復帰への前提条件とはしなかった」と指摘。「北朝鮮の協議復帰と核実験継続 は矛盾するものだということで理解を得られている」と述べた。さらに、「北 朝鮮の核放棄に向け、検証可能、かつ撤回できない形で確実に実行できるよう 準備を進めなくてはならない」と語った。

同次官補は、「この問題に対応するためのワーキンググループのメカニズ ムを構築すること」、および北朝鮮を非核化するために「広範な協調の精神が 伴う必要があることを明確に述べた」と語った。

ヒル次官補は国連制裁について、「変更の確約は一切していない」と述べ、 「北朝鮮としては不満だろうが、制裁解除に向けた最善の方法は核の放棄だ」と 付け加えた。

「中国外交のあわただしい1日」

北朝鮮の6カ国協議復帰はまず、中国の新華社通信が伝えた。ヒル次官補は オーストラリア訪問を途中で切り上げて急きょ北京に舞い戻り、7時間に及ぶ3 カ国代表の協議に臨み、この日の発表に至った。

ヒル次官補は、「中国が非常に強く関与してきた」と指摘し、その理由とし て、「北朝鮮が交渉の場に戻る必要性を極めて真剣に受け止めていたからだ」と 説明。「中国はアフリカ諸国48カ国の首脳会議を主催しつつ、6カ国協議に向け た交渉もやってのけたのだから、同国政府当局者にとって実に多忙な一日だった に違いない」と付け加えた。

韓国とロシア

韓国政府は外交通商省のウェブサイトを通じ、北朝鮮の6カ国協議復帰に対 する「歓迎」の意を表明。他の5カ国と「緊密な協力」を通して、北朝鮮の核問 題解決に向けた外交努力を継続する姿勢を打ち出した。

ロシアのインタファクス通信によると、同国のアレクセイエフ外務次官はこ の日の合意について、「極めて前向きな行為」と評価した。

AP通信によると、北朝鮮はこれより先、大量破壊兵器を運搬している可能 性がある船舶を対象にした米主導の臨検に韓国が参加すれば「破滅的な結果」を 招くことになると警告していた。

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