ホンダ:7-9月純利益は4.3%減、デリバティブ損で-本業順調(6)

ホンダが25日発表した7-9月(第2四 半期)連結業績は、純利益が前年同期比4.3%減の1279億円となった。好調な 海外販売や円安の恩恵で、売上高や本業のもうけを示す営業利益は過去最高を更 新したものの、デリバティブ関係で約500億円が利益の下押し要因になった。一 方で通期業績予想は上方修正し、配当金予想も引き上げた。

ブルームバーグ・ニュースが5人のアナリストの業績見通しを基に算出した 中央値で7-9月の連結純利益は3.7%増の1386億円が見込まれていた。会社 は1.6%減の1316億円を予想していた。

通期業績予想は、純利益を5550億円(従来5500億円)に上方修正した。ま た売上高も11兆円(同10兆7000億円)、営業利益は8200億円(同7500億 円)、税引き前利益7450億円(同7350億円)にそれぞれ上方修正した。ただ前 期に厚生年金基金の代行返上益を計上している反動で、前期比で純利益は7.0% の減益となる見通し。

アルフェックス・インベスメンツの高松一郎氏は、「ホンダをはじめとす る日本車メーカーの強みとして現在の市場環境に合った燃費のいい小型車でも利 益が出せている」と分析、「デリバティブ関連の評価損については今後平準化し ていくので影響はないと思う」との見方を示した。

7-9月の売上高は前年同期比13%増の2兆6309億円、営業利益は同19% 増の1930億円と二ケタの増収増益となったが、税引き前利益は6.2%減の1589 億円だった。関連会社持ち分利益は5.3%増の274億円だった。1株当たり純利 益は70円5銭(前年同期は72円45銭)。営業外損益で、デリバティブ関連評 価で306億円の損失を計上、前年に比べると計502億円の圧迫要因となった。

為替が437億円押し上げ

営業利益の変動要因をみると、「為替」が437億円増と大きく利益を押し 上げた。円相場は1ドル=116円(前年同期111円)、1ユーロ=148円(同 136円)で、ともに前年より円安で推移した。

このほか営業利益面では、「売り上げ」が31億円の増益要因になった一方、 原材料費の変動を含む「コストダウン」が83億円、「販売管理費」が40億円、 「研究開発費」が41億円のそれぞれ減益要因となった。

同期の四輪車の世界販売は、前年同期6.0%増の88万4000台。国内は

6.6%減の17万1000台と減少したものの、北米が4.3%増の41万1000台、ア ジアが22%増の16万3000台、欧州が8.2%増の7万9000台、その他が20%増 の6万台と海外が伸びた。また二輪車、汎用製品も好調で、ホンダの青木哲副社 長は同日都内開いた決算会見で「全ての事業、全ての海外地域で増収となった」 (青木哲副社長)と総括した。

中間期は6年連続最高益

一方、9月中間期の連結純利益は前年同期比11%増の2713億円と6年連続 して過去最高益を更新した。売上高は同14%増の5兆2306億円、営業利益は同 19%増の3965億円、税引き前利益は同10%増の3459億円だった。売上、各段 階の利益ともに過去最高となる。

営業利益の変動要因は「為替」が914億円、「売り上げ」が122億円のそれ ぞれ増益要因になった一方、「コストダウン」が192億円、「販売管理費」が 231億円のそれぞれ減益要因になった。

ブルームバーグ・ニュースが5人のアナリストの業績見通しを基に算出した 予想中央値で中間期の純利益は同15%増の2820億円が見込まれていた。会社は 同13%増の2750億円を予想していた。

中間期の四輪車の世界販売は前年同期比6.3%増の178万台。国内は6.6% 減の32万7000台と減少した一方、海外は好調。北米が6.5%増の86万7000台、 アジアが18%増の31万6000台、欧州が3.4%増の15万台、その他地域が22% 増の12万台などとなった。

通期予想上方修正も、「印象弱い」との市場の見方

今回、通期予想を上方修正したものの、為替の想定レートを7月の第1四半 期業績発表時点に比べて円安に見直した影響がほとんどで、販売環境は逆に悪化 しているのが現状。営業利益を700億円上方修正したが、このうち為替の見直し だけで実に910億円の押し上げ要因とみている。

その一方で、国内を中心に四輪車の販売計画を2万台下方修正したのを始め、 北米のインセンティブ(販売奨励金)を5000万ドル増額したほか、「ガソリン 高の影響で世界的に小型車にシフトしている」(池史彦取締役)ことなど売り上 げ変動・構成差で49億円の下押し要因となるうえ、販売管理費が7月時点から 216億円増加するなど本業部分では実質下方修正と言える。クレディスイス証券 の遠藤功治シニアアナリストはホンダの通期予想について「印象として弱い」と コメントしている。

通期業績予想の上方修正を受けて、年間配当金も引き上げた。これまで中間 期と期末に各30円の計60円を計画していたが、第3四半期に新たに17円の配 当を行うとともに、期末配当を17円とすることで、年間配当金を合計64円とす るとしている。前期の年間配当は100円だったが、今年7月1日に株式分割を行 っているため、株式分割前のベースで換算すると前期比28円の増配になる。

ホンダは6月に開催した株主総会で四半期配当の実施を決めている。第3四 半期末に配当することについて青木副社長は「個人の株主で配当を早く手にした いと方がたくさんいると認識している」ためと説明した。

ホンダの株価終値は前日比40円(1.0%)安の4070円。

--共同取材 藤村奈央子 Editor:Taniai

井上 加恵 Kae Inoue (81)(3)3201-8362 kinoue@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:

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