米モルガンS、投資銀行業の人材強化-春からシニアバンカー6人採用

米大手証券モルガン・スタンレーは、日本 で投資銀行業務を強化するため、人材を拡充している。すでに3月から6人のシ ニアバンカーを他社から採用した。投資銀行本部長の中村春雄氏が明らかにした。

同社は6月、メリルリンチ証券で通信とメディア担当チームのヘッドを務め ていた池浩太郎氏(43)を獲得。9月には渡会英之氏(41)をUBS証券から採 用した。池氏はモルガン・スタンレーでジェネラルインダストリーチームに所属 し、製造業、非製造業、サービス業などを担当している。渡会氏は資本市場部で 金融機関のファイナンスを専門に担当している。

中村氏はインタビューで、「MBOやLBO、そして敵対的買収などM&A 手法も多様化してきて、5年前には想像できない取引が出てきている。ビジネス の環境もよく、人材を増やす必要があった」と語った。さらにMBOやLBOが 増えているなか、それに関連した資金調達も増えていくだろうとみている。

ジェネラルインダストリーチームは、日興シティグループから6月に入社し た舟橋信夫氏(52)が統括しており、このチームには3月にドイツ証券から入社 した川田学氏(39)も在籍している。

同社の投資銀行部門にはこのほか、UBS証券から中嶋秀行氏(42)が8月 に入社している。

中村氏は8月に投資銀行本部長に就任したが、それ以前は資本市場部長を務 めていた。その後任には、米銀大手ワコビアからブラッドフォード・フウ氏 (43)を採用、ニューヨークから来日して10月に着任している。

日本企業が成長戦略を加速するために海外での企業買収を成長の重要な選択 肢とすることが、これからのM&Aの拡大につながると中村氏はみている。これ は「この10年、日本の多くの製造業は海外売り上げ比率を減らしており、国内 においてもシェアの大幅な伸長は期待できないため」であり、またサービス業界 は国内で業界再編が必要であり、こうした動きもM&Aを加速させると言う。

モルガン・スタンレーの日本の投資銀行部門は収入でみても米国に次ぎ2番 目に大きく、ニューヨークのシニアマネージメントも世界的な成長の牽引力とみ ていると、中村氏は指摘する。中村氏は1989年まで2年間、ニューヨークに滞 在し、同社で債券業務全般にたずさわった。そのときの上司がモルガン・スタン レーの最高経営責任者のジョン・マック氏であり、東京の投資銀行業務で、中村 氏はマック氏の全面的な支援を得ているとしている。

ブルームバーグが集計して10月2日に発表した日本企業が関係したM&A の財務アドバイザーランキングによると、9月までの9カ月間のモルガン・スタ ンレーの順位は10位と、2005年の4位から後退している。首位は日興シティグ ループ証券で、ゴールドマン・サックス証券が続いている。一方、株式・株関連 商品のリーグテーブルでは、4―9月の半年間でモルガン・スタンレーは8位。 前年は9位だった。

モルガン・スタンレーは、現在進行中のあおぞら銀行の新規株式公開(IP O)の主幹事をゴールドマン、日興シティとともに務めている。想定売り出し価 格によると、このIPO規模は約3600億円で、1998年のNTTドコモ上場以来 の大型IPOになる。

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