新日石:10月の原油処理量を追加削減、前年同月比25%減に(2)

石油元売り最大手の新日本石油は灯油販売の低迷に よる在庫の積み上がりを背景に、10月の原油処理量を追加削減し、前年同月比25%減の 360万キロリットルにする方針だ。同社の広報担当が11日明らかにした。

同社は、C重油販売の落ち込みと、前年同期を上回る灯油の在庫水準を理由に10月 の原油処理量を前年同月比19%削減し、390万キロリットルにすると発表していたが、そ の後も灯油の販売不振が続いたために、追加減産に踏み切った。

石油連盟が発表する石油製品供給統計週報によると、直近の9月30日時点の灯油在 庫は514万7117万キロリットルと、前年同期と比べ16.4%高い。昨年の灯油在庫が510 万キロリットルを超えたのは10月29日であることを考えると、今年の在庫積み上がりの ペースは、昨年より約1カ月早い。

灯油販売の不振なことの理由として、同社の津田直和副社長は9月28日の会見後に、 「昨年には、先高観測により6-7月の段階から冬の需要期向けに灯油のため込みを始め ていた灯油の小売り業者らが、今年は灯油価格を先安と見ており、在庫の積み増しを手控 えている」と語った。また、寒波などの到来とともに灯油需要が急激に盛りあがった場合 には、石油元売り各社が需要の急増に対応できず、灯油の出荷規制を強いられる可能性が あることも示唆した。

灯油だけでなく、火力発電や一般産業向けのボイラー燃料として使用されるC重油の 需要が低迷していることも影響を与えている。新日本石油の9月の電力会社向けC重油販 売量は、前年同月比38%減の58 万キロリットル。7月以降の同社の電力向けC重油販売 量は、前年対比で「2-3割減の世界が続いた」(津田副社長)という。これに加え、8 月30日から9月14日まで同社の根岸製油所(横浜市)の自家発電設備に不具合が生じ、 燃料に使用するC重油の在庫の積み上がりがさらに加速した。

石油精製の過程で、特定の油種の精製比率を大きく変更することは不可能。必要な油 種を精製するためには、不必要な油種の生産が常に伴う。そのため、石油元売りは石油製 品全体の市況や需給バランスに照らし合わせ、原油処理量を決定する。

石油業界紙の燃料油脂新聞が11日付の紙面で、同社の追加減産を報じた。

新日本石油の株価は前日比2円(0.2%)安の850円。(午前9時43分現在)

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