米国株:上昇、鉄鋼・テクノロジー株に買い、業界再編観測(2)

米国株式相場は上昇。企業M&A(合併・ 合弁)を通じた業界再編観測から、鉄鋼株やテクノロジー株が上昇。ただ、北朝 鮮の核実験実施や原油相場の上昇が株式の上値を抑えた。

AIGサンアメリカ・アセット・マネジメントで8億5000万ドルの資産運 用に携わるスティーブ・ニーメス氏は、「株式市場は地政学的リスクと企業業績、 原油相場に対する懸念を乗り越えようとしている。投資家はバリュエーションに 着目している。現在の市場は割安感が強い」と語った。

USスチールなど鉄鋼株が堅調。インドの製鉄会社タタ・スチールが先週、 企業買収に関して「さまざまな機会を検討している」と表明したことから業界再 編観測が高まった。ケーブルテレビ(CATV)会社のケーブルビジョン・シス テムズは、大株主のドーラン一族による買収案を手掛かりに急伸した。

S&P500種株価指数は前週末比1.08ポイント(0.1%)上げて1350.66。 ダウ工業株30種平均は同7.60ドル(0.1%)高の11857.81ドル。ナスダック総 合指数は同11.78ポイント(0.5%)値上がりして2311.77。

インターネット検索大手のグーグルは、動画共有サイト、ユーチューブとの 買収交渉が大詰めを迎えていると報じられたことで買いを集めた。コンピュータ ーグラフィック(CG)用半導体メーカー、エヌビディアもインテルによる買収 観測から高く、ナスダックを押し上げた。

アルミのアルコアは、10日の決算発表を控えて堅調。アルミ価格の上昇と 中国からの需要拡大で、第3四半期の同社利益は倍以上に拡大すると予想されて いる。

寄り付き軟調

北朝鮮が核実験を実施したと発表したことで、株式相場は寄り付き軟調だっ た。ブッシュ大統領はホワイトハウスで記者会見し、北朝鮮の核実験に関する発 表は「挑発的な行為」だと強く非難、国連安保理は直ちに北朝鮮に対して断固た る行動を取るよう訴えた。

9日のニューヨーク原油先物相場は上昇。石油輸出国機構(OPEC)が、 サウジアラビアを含む加盟国6カ国は石油価格の回復を目指し減産すると述べた のが背景。原油先物11月限終値は前週末比20セント(0.33%)高の1バレル=

59.96ドル。相場は一時、61.30ドルまで上昇した。

今月11日には、9月20日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の 議事録が公表される。サンフランシスコ連銀のジャネット・イエレン総裁は9日、 カリフォルニア州ラグナビーチで開催された銀行家会議で講演し、現在のフェデ ラルファンド(FF)金利誘導目標は「わずかに引き締め的なレンジ」にあると 語り、インフレを抑えるのに「適切な水準だ」と述べた。

鉄鋼株ではUSスチールやニューコアが上昇。S&Pスーパーコンポジット 鉄鋼株指数は3.1%高。同指数に採用された14銘柄すべてが上昇した。

ケーブルビジョン、グーグル

ケーブルビジョンは急伸。同社は9日、大株主のドーラン一族が同社を未公 開企業にするため、約79億ドル規模の買収案を提示したことを明らかにした。 ドーラン一族はケーブルビジョン株1株につき27ドルを支払う。これは先週の 株価終値を13%上回る。

グーグルは上昇。同社は取引終了後、ユーチューブを約16億5000万ドル (約1965億円)で買収すると発表した。

コンピューターグラフィック(CG)用半導体メーカー、エヌビディアは急 伸。インテルのライバル会社、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD) がエヌビディアの競合、ATIテクノロジーズ買収で合意して以来、インテルが エヌビディアを買収するとの観測が広がっている。

携帯電子メール端末「ブラックベリー」を製造・販売するカナダのリサー チ・イン・モーションは急伸。メリルリンチのアナリストは、リサーチ・インの 株価目標を110ドルから135ドルに引き上げた。

商い低調

コロンブスデーの祝日で、売買は通常より低調だった。ニューヨーク証券取 引所(NYSE)の出来高は概算12億7000万株と、過去3カ月平均を18%下 回った。騰落比率は11対6。

米ペンシルベニア州の銀行最大手、PNCファイナンシャル・サービシズは 下落、S&P500種の採用銘柄のなかで値下がり率2位。同行は、銀行持ち株会 社マーカンタイル・バンクシェアーズ(メリーランド州)を現金と株式交換によ り60億ドルで買収すると発表した。これによりPNCは、ワシントン地域の顧 客数を拡大する。

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