サーベラスなど主要株主、あおぞら銀IPOで最低3700億円調達へ(2)

米投資会社サーベラス・パートナーズなど、 あおぞら銀行の主要株主は、10月中にも発表予定の同行株式の東京証券取引所 再上場で、最低でも3700億円を調達する見通しだ。国内の新規株式公開(IP O)としては過去8年で最大規模となる。複数の関係者の話で明らかになった。

政府を含むあおぞら銀の株主は、再上場で発行済み株式総数の約3割を放出 する予定である。あおぞら銀による新株発行の予定はない。あおぞら銀のIPO の調達金額が、2004年に株式を公開した電源開発の3748億円を上回れば、1998 年に上場したNTTドコモ以来の最大規模となる。

東証1部に上場する企業は、上位10位の大株主が発行済み株式の最低3割 を市場放出しなければならない。あおぞら銀の株主は3割以上の株を放出する可 能性もある。

関係者によると、あおぞら銀の1株当たり利益(07年3月期見通し38円50 銭)や公開時の割り引きなどを考慮すると、売り出し価格は1株約589円となる。 政府保有の優先株式が転換されると普通株の約3割に相当する。これを含めると、 あおぞら銀の発行済み株式総数が約21億株となり、時価総額は約1兆2400億円 と算出される。

あおぞら銀の資料では、政府保有分の時価総額が3550億円を超える場合に 限り、あおぞら銀の主要株主は政府に売却を要請できるとしている。関係者など によると、普通株への転換価格にもよるが、あおぞら銀の株価は509円以上とな る必要があり、この条件を満たさないと、政府が株式を売却することはない。

HSBC証券のアナリスト、ブレット・ヘムスレー氏は「あおぞら銀IPO の背景にあるのは、投資家の需要ばかりではない。サーベラスにとっての、投資 の出口戦略という面もある」と指摘した。また、旧日本債券信用銀行が破たんし た当時に受け入れた公的資金の返済にもつながるという。

関係者によると、米大手投資銀行ゴールドマン・サックス、モルガン・スタ ンレー、日興シティグループ証券が共同主幹事を務める。それぞれの証券会社や、 あおぞら銀の広報担当者はいずれもコメントを差し控えた。

ソフトバンクを中心とする投資連合は2000年、経営破たん後に公的管理下 に置かれていた旧日債銀を1011億円で買い取り、再建した。この投資連合に参 加していたサーベラスは03年、ソフトバンクの保有分を含むあおぞら銀株式を 買い増し、保有比率を62%へと高めた。再建にかかわったオリックスやミレア ホールディングスも、あおぞら銀の株式を各14.99%保有している。

サーベラス傘下のあおぞら銀は06年3月期、旧日債銀の創業以来の最高益 を更新した。シンジケート・ローンやデリバティブ収益、外為取引収益、事業再 生ビジネスなどの手数料収入が寄与し、連結純利益は前期比34%増の1201億円 に達している。水上博和社長は5月の決算発表会見で、「今後はリテール業務で 業務展開の可能性が大きく広がり、法人向け業務は好調な投資銀行業務を中心に 注力していきたい」と述べた。

--共同取材:安 真理子 Editor:Asai

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