米フォードはルノー・日産との提携交渉に慎重、GMと決裂後-関係者

米自動車メーカー、フォード・モーターは、 新最高経営責任者(CEO)による事業見直しが完了するまでは、仏ルノーと 日産自動車との提携に向けた交渉を開始しない見通しだ。事情に詳しい関係者 3人が5日までに明らかにした。

9月1日に就任したアラン・ムラリー氏へのCEO交代により、フォード の姿勢が変化したことがうかがわれる。ウィリアム・クレイ・フォード・ジュ ニア前CEOは7月に、ルノーと日産のカルロス・ゴーンCEOに接触し提携 の可能性を打診していた。

米ミシガン州立大学のユージーン・ジェニングス名誉教授は「ゴーン氏と フォード氏は互いに愛想をつかした」として、「真剣な提携の交渉はないだろ う」と述べた。

フォード株はGMがルノー・日産との提携交渉を打ち切った4日、4%高 と3週間ぶりの大幅上昇を演じた。フォードは今や、北米での提携先としてゴ ーン氏の唯一の選択肢だ。ゴーン氏は先週、パリでの会議で、「最初から、北 米企業に提携先を拡大することは理にかなっていると述べている」と語ってい た。フォードとの提携の可能性には触れなかった。

フォードの広報担当者はコメントを控えた。ドン・ルクレア最高財務責任 者(CFO)は9月27日に、フォードは提携に関して「さまざまなことを検討 した」が、「今は事業の立て直しに集中することに決めた」と語った。フォー ドは北米での人員削減と工場閉鎖を進めている。9月にはこれらのコスト削減 策の加速やホワイトカラーの追加削減も発表した。

業界コンサルタント、カセサ・ストラテジック・アドバイザーズのマネジ ングパートナー、ジョン・カセサ氏は「現実的な問題として、新しいCEOに は状況を把握する時間が必要だ」として、「CEOとしての最初の仕事が同業 他社との提携交渉ということはほぼあり得ない」と話した。

ベアー・スターンズのアナリスト、ピーター・ネスボルド氏は「フォード は全米自動車労組(UAW)組合員とホワイトカラーの削減にまず集中する必 要があると思われる」として、「今すぐルノー・日産と交渉するとしたら驚き だろう」と話した。

北米事業の再編を別にすると、フォードは業績立て直しに向けてまだ思い 切った策はとっていない。同社は金融部門フォード・モーター・クレジットは 売却しないことを決めた。英国のブランドのなかではアストンマーティンを売 りに出したが、ジャガーとランドローバーは「当面」保持するとしている。

カセサ氏は、時間がたてばムラリー氏はゴーン氏との提携について考え直 す可能性を指摘。ルノー・日産はフォードのアジア事業や米国での小型車の販 売を支援でできるかもしれないと同氏は説明した。

フォードの「財務悪化を考えると、取締役会と創業者一族が、同社が独立 性を失うような選択肢を検討しなければならなくなることは、間違いないだろ う」とカセサ氏は話した。

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