メリルリンチ、UBS、クレディ・スイス:株式調査の正確度で上位

投資銀行部門の業務獲得のためにゆがんだ投 資判断を示したとして、株式アナリストに対する投資家の批判が吹き荒れてい た2003年6月、証券大手、米メリルリンチの世界調査担当ディレクターのキャ ンデス・ブラウニング氏は、新たなビジネスモデルへの転換を求められていた。

メリルなどウォール街の10社は、アナリストの利益相反をめぐり当局の追 及を受け、14億ドル(約1650億円)の支払いで合意したところだった。当局と の合意は、調査業務と投資銀行業務の分離を義務付けていた。そこでメリルは、 ブローカー部門の売買仲介手数料獲得を助けることで、調査部門の利益を出す ことにした。ブラウニング氏は、不要なリポートを減らしコスト削減を図ると ともに、成長の著しいヘッジファンド向けの売り込みに力を入れた。

それから6年、ブルームバーグ・ニュースが今回初めてまとめた世界の株 式調査部門の正確度調査で、メリルリンチは1位となった。

ブルームバーグは世界のアナリスト2500人以上を対象に調査し、会社単位 で最も正確な投資判断を提供した企業と、トップアナリスト20人を選んだ。人 気投票となるのを避けるため、投資家へのアンケートに頼らず、時価総額で世 界のトップ200社の株式に関するアナリストの投資判断に基づいて順位を決定 した。ブルームバーグは350社以上が過去2年に出した投資判断を対象に、株 価が上昇した企業の「買い」判断、株価が下落した企業の「売り」判断を集計 した。

この結果、メリルリンチのアナリストは過去2年に200銘柄について68の 正確な判断を示したことが分かった。2位はスイスのUBSで58、3位はクレ ディ・スイス・グループの52だった。4、5位はモルガン・スタンレーとドイ ツ銀行で、正確な判断数はそれぞれ48と46。

株価の上昇、下落の両局面で利益を上げようとするヘッジファンドは、従 来型の投資判断以上の内容を調査リポートに求める。ヘッジファンド業界から 業務を獲得するため、アナリストらは業界や市場、国境を越えて、短期に利益 の出る取引も提案しなければならない。

ブラウニング氏は、「花形アナリストの時代は終わった」と話す。以前に比 べ、アナリストの仕事は増え、収入は減った。報酬コンサルティング会社、ジ ョンソン・アソシエーツのマネジングディレクター、アラン・ジョンソン氏に よると、アナリストの報酬は年60万ドル前後と、2000年の100万ドルに比べ低 下している。

今回の調査で10位だったシティグループでは、約300人のアナリストが 2900銘柄の調査を提供している。ジョンソン氏は「ウォール街でこれほど大き く変化した業種を知らない」と話した。

新しいビジネスモデルは、一部企業で成功している。クレディ・スイスで は現在、ヘッジファンドからの収入が仲介手数料全体の約40%を占め、3年前 の20%から上昇。調査部門の貢献が利益につながっている。ドイチェ・バンク・ セキュリティーズも、米調査部門の収入の約半分はヘッジファンドから得てい る。

ブルームバーグ調査の結果は画面上部の「添付ファイル」の「文書」をク リックすると参照できる。

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