米モルガンS:人材流出防止に躍起-トレーダーやバンカーに奨励金

米証券大手のモルガン・スタンレーは、高 額所得のトレーダーやバンカーにさらに数百万ドルの奨励金を支払い、ライバ ル会社への人材流出防止を図る策を導入した。

事情に詳しい関係者4人によると、ジョン・マック最高経営責任者(CE O)は9月に、報酬50万ドル(約5910万円)以上の従業員に、賞与の一部を 自社のヘッジファンドと企業買収ファンドに投資させるプログラムを導入し た。「レバレッジド・コーインベストメント・プラン」と名付けたプログラム では、従業員がこれらのファンドに出資した1ドルに対して、会社が2ドルを 貸し付ける。従業員は3年未満で退社すると、出資額と投資益を失う。

同プログラムは、稼ぎ頭の従業員の他社移籍に歯止めをかけることを目的と したものだ。人材あっせん会社ケネディ・アソシエーツ(ロンドン)を経営す るジェーソン・ケネディ氏によると、ライバルのゴールドマン・サックス・グ ループやリーマン・ブラザーズ・ホールディングスはモルガン・スタンレーに 比べ10-20%高い報酬を提示する場合がある。

「モルガン・スタンレーは報酬という点で、非常に競争力があるというわ けではない」と同氏は述べた。ウォール街の高額所得者の報酬の多くは賞与が 占める。賞与の大きな部分は、数年間売却できない制限付き株式の形で付与さ れる場合が多い。

関係者が匿名で述べたところによると、モルガン・スタンレーは自社のヘ ッジファンドや買収ファンドに投資する従業員のために低金利の融資を提供す る。3年間はファンドを売却することはできない。売却時にファンドの価格が 下落していて、借入金の返済後に自身の出資分が失われる場合は、返済が免除 される。モルガン・スタンレーはまた、制限付き株式を売却できない期間を3 年と、従来の規則での5年から短縮するという。

同社は2005年12月-06年8月について、5万4000人の従業員1人につき 20万3000ドルを報酬・給付として準備している。ケネディ氏は、今年度の報酬 が50万ドルを超えるのは従業員の約10%と見積もる。関係者によると、コーイ ンベストメント・プランに基づき、これらの従業員は株式賞与の30%を自社ヘ ッジファンドと買収ファンドに投資できる。

証券業界の増益ペースが鈍化するなかで、大手証券会社の間で収益力の高 いトレーダーやバンカーの獲得競争は激化している。モルガン・スタンレーは 6月末以来、少なくとも12人を同業他社から獲得。一方で11人を失っている。

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